創作小説「夕焼けの空」後編
- カテゴリ:自作小説
- 2010/09/08 23:10:04
「平行世界シリーズ」
夕焼けの空
後編
サティンが奏でる鉄琴の音にカリンの歌声が乗り、広場に響いていく。
誰もが聞いたことのある曲に耳を傾け、どこから聞こえて来るのかと周囲を見渡す。
そして、懐かしむように口ずさむ。
てをつないで あるくみち
まっかにそまった あおいそら
あしたもまた あおうねと
やくそくした そらのいろ
人が集まる中、子供たちも興味をもって集まってくる。
その中に泣き腫らした眼で現れた子供。
ヤース達が子供を見つけるより早く、母親が脱兎のごとく駆け出して抱きしめていた。
その様子を見ながら彼らは微笑む。
よかったね、と。
親がいない環境で育ったから、その淋しさを知っているからこそ。
数回歌い続けた曲を終わらせると、集まった周囲の者から拍手があがった。
「お姉ちゃん、もっと歌って」
と、最前列に集まった子供たちがカリンにねだっている。
「お姉さん、お仕事の途中なの、ごめんね」
と笑顔で返し、カリンはヤースに「じゃ」と声をかけて、広場から去って行った。
後ろ姿を見送ったヤースに、母親の女性が子供を連れてお礼にと声をかける。
「ありがとうございました…[よろず屋]なさってるのですね。何かお礼を……」
「そんな、いいです。こっちが勝手に協力を申し込んだだけだから」
「でも…じゃコレでも受け取ってください」
商店で買い求めた今夜の夕食か明日の朝食だったのだろう、焼きたてのパンを1本取り出してきた。
「差し入れとでも思ってください」
と。
「ありがとうございます。ではいただきます」
今度は断らず人懐っこい笑顔でヤースは受け取った。
「お兄ちゃん、また聞かせてね~」
子供も母親に手を引かれながらその場を立ち去った。
「つぎ、何にする?」
ヤースに向けて適当に鉄琴を叩きながら問いかけたサティンだったが、広場にざわめきが起こり、人がバタバタと移動する気配が伝わってきた。
それは彼らに近づいて来ているようで、分かれた人ごみの中に役人官吏の制服を着こなした人物が見えた。
「官吏だ。何か起こったのだろうか?」
「え? 違法の取締り?」
にしても人数は一人。
盗品や毒薬物など取引を禁止している物品を売買している者を捕らえるために、抜き打ちで役人が来ることもあるのだが、たった一人ではそれは無理だろう。
官吏の男は探し者をするように周囲を見渡して、まっすぐにヤースとサティンの前にたどり着いた。
周囲にいた者は何事かと場を空けて、遠巻きに様子を伺っている。
「[よろず屋]をやっているのは君たちか?」
立てられた看板の文字を確認しながら問いかけてくる。
その口調からして捕らえようなどという意気揚々とした雰囲気が感じられなかったので、ヤースは素直に頷いた。
「依頼したいことがあると伝言を預かっている」
官吏の言葉に二人は顔を見合わせた。
渡された用紙は、その辺に溢れている普通の紙。
役人が用事を託されるということは、依頼主は結構な地位にいるヤツじゃないのか?
疑問を持ちながらも、二人は紙に書かれた場所へと足を運んだ。
そこで驚くべき依頼の内容を聞かされることになる。
「病気で臥せっておられる王子の、身代わりを頼みたいのだが……」
そして――、二人は巻き込まれる。
水面下で起こっていた、闇の魔導士の計略に。
【END】
うえぇぇーっ!?
という叫びが聞こえそうな終わり方ですが(笑)エンドですっ
人物紹介、伏線ありまくり小説でございますから。
彼らの短編はあと二つありますが
「奇跡の泉」←執筆停止中 夕焼け~より前の話
「終夢」←今後のネタバレになるのでアウトっ
てな感じです。
先にあやまってしまおうっ(爆) ごめんなさーい m(_ _)m
(^^)
まだまだ伏線ありまくりです。
だって、本編まーったく載せていないんですもの(爆)
今、本編の書き直し分を捜索中←おいっ
ていっても4話のうち1話しか完了してないんですけどね。
頭の中の小説はとっくに完結しているのに。
がんばりますっ
それともまだまだ伏線ありまくり?www
短編は伏線ありまくり小説です。ww
身代わり…そうか病気の身代わりってセンもあったか、と思ってしまいました。
プログに載せるにあたって、プロローグ削除して、終りのひとセリフを抜きました。
今後の展開に重要な文だったもので……ふふふっ
身代わりは王子の身代わりです。どちらがするんでしょうかねぇ(笑)
答えはヤース。カリンやサティンに大笑いされますけど。
ヤースとカリンは将来的にきっとくっつくことでしょう、たぶん。
そこまで設定立てていなかった(爆)↑
シリーズの本編が終わった後の物語がひとつだけあるのだが、主人公が彼ら3人(+1)に会う話です。
あと何話を書けば完結するのか、もうわかんなくなったシリーズですな(笑)
巻き込まれた人達のサイドストーリーですね。こうした日常があるからこそ犠牲になる悲惨さが際立つのかもしれませんです。
私も伏線張って放置はよくありますよーorz
「病気の身代わり」?? それとも。。。 「王子の身代わり」?? くぅ~~~~~><
でも。。 最後の ゛闇の魔導士゛ っていうところからだと・・・ えぇ~~~~~っ!!><
やっぱ・・・ そっちなんですかあ~~~~~@@ いやあ~~~~~っ! そんな病気のなんて!
(おいおいっ!。。。勝手に 舞い上がってしまって すみません・・・(汗汗);;)
じゃあ・・・ せめて。。。 ヤースくん と カリンちゃん の 今後の・・・ 恋愛ものを。。。(笑)><