創作小説「ソハコサ国の勇者」(1/?)
- カテゴリ:自作小説
- 2010/09/10 21:12:47
「平行世界シリーズ」本編1
ソハコサ国の勇者
プロローグ
幼い頃は好きだった。
冒険いっぱいの異世界のお伽話。
『じーちゃん、お話してー』
『どんなのがいいんだ?』
『まほうつかいで、おうじさまで、わるいヤツをやっつけるのー』
何度も祖父にお願いして、飽きもせず同じ話を聞いていた。
『世界を滅ぼそうとする者から、世界を護った勇者だよ』
と。
『ゆうしゃさま?』
『そう。彼は世界を救った勇者様』
『じーちゃんのおともだち?』
『…友達になれたら良かったね』
『じゃ、たえこはおともだちになる!』
無邪気に信じていたあの頃。やがて祖父も亡くなり現実に揉まれる中で忘れてしまっていた。夢や希望というものを――。
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
カタカタと揺れる馬車の中。
「信じられない。何このガタガタ道!」
必死な形相で窓枠に手をかけてふんばりながら彼女は口を開く。
「もっとましな道はないの!?」
「隣国へ抜けるための一本道なんですよ」
「だったらもっと整備しときなさいよ」
完全なる八つ当たり…でも彼女に対しては全くの無関係とは言い難い。
「妙子さん、そんなに騒いでいると舌、噛みますよ」
ガタンッと石を踏んづけた車輪がひときわ大きな揺れと衝撃を車内に伝える。
「ぎゃあ」
小さく叫んだと同時に閉口する彼女。
どうやら舌は噛まなかったようだが。恐怖は味わったらしい。
「エカーチェフ、何とかしなさいよ」
「えー? そんなの無理です」
「あんたの魔法で馬車を宙に浮かすなりなんなりすればいいじゃない」
「国境の側は魔導は使わない決まりだと説明したでしょう。使えるのならとっとと転移魔導を行ってますって。国境を越えればなだらかになりますから」
「あとどれくいよ」
「もうすぐそこですよ」
前方についた窓から外を覗き見る。
御者と馬の前には高く険しい山々に向かって、森の中を一本の道が延びている。
周囲は木々以外の何も見当たらない。
馬車がかろうじてすれ違うことが出来る幅の道は砂利がひかれ、整備されようとした跡はあるものの年月が経ち、馬や車輪が小石を跳ね飛ばし、現在、馬車を激しく揺らす原因となっている地中に埋まる石が顔をのぞかしている。
「山を越えれば国境です」
とのエカーチェフの言葉に聳え立つ高い山の頂きを見て溜息をついた。
「全然もうすぐじゃないじゃない」
しかし、しばらくすると前方に建物が見えてきた。
行き来する者を誘うように大きな門が口を開いている。
やや速度を落とした馬だが止まることはなく門をくぐり抜け、その先には天を見上げるほどの断崖絶壁が立ち塞がってる。
道はそれを避けることなく真っ直ぐ壁に向かって延び、途切れていた。
「え? ちょっとこのままー!?」
「はい」
慌てふためく彼女の言葉に当たり前のように笑みで答えるエカーチェフ。
壁は目前。
思わず目を瞑った妙子だったが。少しの衝撃もなく音がなくなり、奇妙な浮遊感が身体を通り過ぎたと思うと、再び車輪がたてるガラガラという音が耳に戻ってきた。
「国境、越えましたよ」
エカーチェフの言葉に目を開けた妙子は窓から見える景色が変化したのを目にする。 木々に囲まれた森の中というのは変わらないが、前方にあったはずの高い山々は後方で連なり、遥か前方には大河の流れる広い平野が見て取れる。
ギシギシと軋みをあげていた馬車も今は落ち着いて、蹄と車輪の音だけ。
「工業の国・ヤナテトシム大国です」
【続く】
いままでの平行世界シリーズとは何だか様子が変だぞ?
そんな感じの小説ですが、実はコレが本編でーすww
コレを描いて、世界観を設定したら、副産物として山ほどの短編が出来上がりました。ていうか、思い浮かんだ物語を全部、コレの世界観と一緒にしてしまえーという考えのもと、シリーズが出来上がったのさっ
しかしつなげてみると不思議と辻褄が合うストーリー展開になっていたので、私自身も驚いたさww
連載は10回くらいの予定ですが、気になるところは書き直していくと思いますので、実は微妙っww
よろしくおねがいしまーす。
UPして、フラリとして戻ってきたらもうコメントを頂けているなんてww
しかも。読みにくかったでしょ(汗)
ペターッと貼り付けて、プログ確認がまだだったわ Σ(-_-;)φ
改行とかスペースとかが消えておりましたっ m(T_T)m
改行や行間も小説の一部でございますっ←そんな思いで書いてますのでww
先の長い話になりそうですので、よろしくお願いしますっ
ホントだ!なんか違う!
平行シリーズ、イイですねぇ...
いろいろなお話が 生まれてきそうですねっ! あたしも 王子様ごっこっぽいの書いてみようかなあ
。。。いやっ! 待てよ・・・(汗汗);; それは・・・ ムリっぽそうです~~~~~(笑)ww
楽しみにしてますねっ♪♪ あと。。。 「まりも」 おめでとうございますっ!!