Nicotto Town


-full coller program-


機動戦士ガンダム 公国の威信13

すべてがコマ送りに見えた。走っているレン。身動きの取れないカレン。
それに銃を突き付けるゲオルギー。引き金を絞るゲオルギー。
1ミリ、2ミリ、3ミリ、そして…

「……タァァァァァァン!……」

狭い艦内に銃声がこだまし、赤黒い雫が宙を舞った。
レンはカレンに駆け寄った。その顔は激情に駆られていた。
カレンをかばいながら、レンは左腰のホルスターからピストルを抜き、闇雲に撃った。
しかし、ゲオルギーは既にギャンに搭乗していた。レンは迷わなかった。

「……大佐…発進…許可を…要請…します」
「了解…総員戦闘配備に付けェェェェェ!!!」

ロザリオの声に全員が反応し、持ち場へ散った。
レンはカレンを抱き上げると、医務室へと連れて行き、側に居たい衝動を抑え、
2番カタパルトへと向かった。ハンガーでは、カレンを除く整備員が、
目を回しながらケンプファーの再出撃の準備を進めていた。
レンがコクピットへ入って待っていると、しばらくしてから発進許可が下り、
ケンプファーは出撃した。ジョゼフ達は既に出撃していたが、
たった一機のギャンに手も足も出なかった。
ゲオルギーはケンプファーに気付くと、通信のチャンネルをこっちに合わせてきた。

「ミスター・カイオンジ…貴方の腕前は今まで私が見てきたパイロットの中でも
 抜きん出て素晴しい…そんな貴方に敬意を表し、一騎討ちを御申し込み致します」

レンは、少し考えてから言った。

「望むところだ…ジョゼフ大尉、ちょっと退いてて下さい」
「まっかしときなぁ」

ジョゼフ達は艦の近くまで下がったため、
周りにはギャンとケンプファーを残すのみだった。

「では、行きましょうか…」

ここに、2人の男の意地と意地のぶつかり合いが始まる…。

#日記広場:自作小説

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2010/09/11 11:45
ザクとは違うのだよ、ザクとは!!!!



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