初恋について、ですと?

……そんなもん、ネット上のアイテムひとつで聞き出せると思うてか。

あまーい!!

いや、正確には「初恋」とはなんぞや、という話になっちまう気がするが。


家族から
「『どろろ』なんじゃない?」
と言われたこともある。

TVの前にへばりついて見ていた、らしい。
記憶がない（三歳以前だろう）。
見ているとすれば間違いなく再放送、なのだけど。

にしても相手は百鬼丸だろう（だってどろろは……）。
物心つく前からその路線かい、と我ながら呆れる。


初恋なんぞ、フィクションも対象に入れるならなおさらだ、実際なにがなんだかわからない。

が、ファーストキスについてなら、語ってもいい。

確か、中学一年だった。
半泣きで怒った記憶がある。

相手は、当時飼ってたセキセイインコ。

黄色で、おなかが緑、大型セキセイの血が混じっていたのか黒目がちで、器量好しな子だった。
手乗りで、よく慣れてたけど、気が強く、結構噛んだ。

はい、噛まれました。血が出ましたけど。
それはともかく、肩から身を乗り出して口噛むか?
こっち、女の子だぞ、初めてなんだぞ。あんまりだろう。

うたいつつヒョコヒョコしてる鳥。ケラケラ笑う家族。小鳥に怒りをぶつけるわけにいかず半泣きのわたし。

……莫迦っぽいが、やっこさんが世を去った後では、懐かしい思い出だったりする。


ただ一緒にいてほしいがために、そこで生きることを、強いる。

ペットを飼う、ということは実は罪深いのでは、と思うことがある。
でも、やっこさんと暮らしたことで自分が変わった部分がある、それがわたしに、まわりの人に与えている影響は決して少なくない、とも思う。

大好きだが、悩ましい。
これからも、想うたびに考え込むのだろう、きっと。