北の少年 激闘編 2
- カテゴリ:自作小説
- 2010/09/29 19:24:52
このお話は、友人のリクエストにより、篠原烏童さんの作品から共生獣の設定をお借りしています。ファンの方で不快に思われましたら、お詫びいたします。
長文なので嫌なんです~の方はスルー推奨^^;
砂海に雨が降る短い雨季は、もうすぐ終わりを迎えようとしていた。
儚げな花を咲かせていた草は、すでに種をはらんで厳しい乾季に備えようとしていた。
砂海に生きる小動物たちも、その実りを少しでも得ようとしてさかんに動きまわっている。
カイルはキャラバンが休憩を取る間、砂海ねずみや地リスを狩っては自前の食料としていた。
砂丘の影側で休憩する一行は、カイルの様子に声援を送ったり、賭けの対象にしたり思い思いに楽しんでいた。
そんな風に何事もなく旅をすすめて、バールオアシスを出発して3日目。
次のオアシス、緑の手のケルダー神の名を持つケルダーオアシスまで残り3日の行程まで来た時、異変が起こった。
最初に異変を感じたのは、共生獣のカイルだった。
いつもの休憩時に、小動物を狩ろうとしてキャラバンから離れた彼は、空気にピリリとした緊張感を感じた。
(なんや?)
鼻の頭に皺を寄せ、空気の匂いをかぎ分ける。
それと同時に心を開き、さまざまな物を感知する。
相棒のジェン、ロヴ、傭兵ラルム、ケニスとメルガ…馴染みになった隊商の人たち。
記憶した人々の心を感じたあと、さらに他の存在を求めて感応域を広げてゆく。
その力が届くか届かないかの領域に、未知の人々の悪意を感じ取った。
(何者や?)
人間であることは間違いない。それも悪意をもった人々だ。
(砂漠で悪意を持って、隊商をうかがっとる集団ゆうたら…)
「盗賊だな」
いつのまにかカイルのそばに、相棒のジェンが立っていた。
カイルが悪意を感じた方向を、まっすぐに見つめている。
「そろそろおいでになると思っていたよ」
(ジェン、俺、ちょっと様子伺ってくるわ)
「気をつけろ。私はケニス殿に知らせてくる」
(まかしとき!)
カイルはさっとジェンが見つめる方向へ駆け出していった。
「さて、忙しくなりそうだ」
ジェンは相棒の姿を見送り、きびすを返して隊商の方へ駆け戻っていった。
「盗賊団ですか?」
ジェンがカイルの感じたことを報告すると、ケニスは面白そうに呟いた。
「今、カイルが様子を見にいってます。戻ったら詳しいことを報告できます。が、間違いなくそうでしょう」
「ふむ。この辺を縄張りにしているのは…確か『ケルダーの左手』とかふざけた名前の一団でしたか…」
ケニスはぬかりなく、砂海を跋扈する盗賊団の情報も入手しているようだ。
「長が代替わりして、かなり非道な盗みをするようになったと聞いています」
ケニスは人をやって傭兵たちを呼び集めた。
速やかに召集された彼ら、ラルムを筆頭とする6名は緊張した面持ちでケニスと奥方メルガの周りに立っている。
砂漠用の皮鎧に、自分の得意とする武器を携えていつでも闘えるように準備済みだ。
彼らの士気は高い。
その横に控えているのは、魔法使いと治療魔法士。
「よく聞いてください。どうやら盗賊団が私たちを狙っています。カイルを迎えに出たジェンが気づきました」
「どちらにしても、今夜は忙しくなりますわね。あなた」
メルガが緊張した面持ちで、盗賊団がいるという方向に視線をやった。
「そうなるでしょうね、奥さん。ですが、我々の方が有利です。すでに彼らの存在に気がついているのですから」
「そうですわね。今のうちに守りを固めましょう。長い夜になりそうですわ」
「ケニス殿。私たちが休憩中だったのは幸いでした。今、背にしている砂丘を中心に守りを固めましょう」
ジェンがそういって、砂地に簡単な図を書き始める。
「これが砂丘、私たちはここにいます。カイルが盗賊団の存在を感じ取ったのはこの方向」
ばつ印で隊商の位置を示し、矢印で盗賊達の潜む方向を描く。
「砂丘の影側の麓に、荷物と非戦闘員を集めて、その周りを動物で囲む。戦闘の心得のある者がその周りを固める。
弓が使えるものを砂丘の上に配備して待つ…」
近寄ってきたラルムがそう続けて、小石でもって弓を持つ者の配置をしていく。
ジェンもラルムも、頭の中で盗賊団との戦いを思い浮かべているようだ。
どちらも冷徹な傭兵の顔になっている。
「基本的な作戦はこうなりますが、いかがでしょうか?ケニス様」
ラルムが傭兵たちの代表として、ケニスに裁可を求めた。
「それでいいでしょう。貴方を信頼していますよ。ラルム」
「ありがとうございます。カイルが戻り次第、準備を始めます」
その時、偵察に出ていたカイルが戻ってきた。
(ジェン、間違いない。盗賊団や。ざっと、40名ほどおったで)
(お疲れ、カイル)
肩に飛び乗ってきたカイルの喉を撫でてやりながら、彼の報告を皆に伝える。
「それでは、準備にかかって下さい」
ケニスの号令とともに、隊商の一行はすばやく動き始めた。
カイルがいないと、話がすすまなかったかもと、思うとき多いよ、
ほんま頼もしい相棒。ジェンにとっても私にとってもね。
なにより書きやすいん子なんだ^^
野リスとか捕まえてネコちゃんみたいだったのにぃ♥
盗賊との闘い楽しみです。
激闘にふさわしく、さっそく盗賊団でました^^
びびらせてすみません~。
戦いの結果はどうなるかお楽しみに~。
私がビビっております^^;
戦いに勝って こちらの戦力になって頂けると 幸い♪
盗賊団登場。さて、どんな展開にしましょうか?
どんな作戦で迎え撃つのか…。
もう少し待っててね^^
何か?向こうの作戦かもしれないから
気をつけてほしいですね★