創作小説「WANTED」3
- カテゴリ:自作小説
- 2010/09/29 21:39:20
「平行世界シリーズ」
WANTED
第3話
「なぁ、ディア。行かないのか?」
アルカディアは海を渡った南陸にあるカルマキル国に行くために港へとやってきたのだが、待合場所から海を渡る船を2隻程見送っている。
「やっぱりこの国を離れるのは心細い?」
「いや、そんな事はないが……」
心配そうに声をかけるシーフィラノに微笑を見せる。
彼のお陰で現在の自分の状況が判ったのはいいが、何か見えない力に引っ張られるような感じがする。
そのまま海を渡っていいのだろうか……。
そんな思いがして仕方ないのだ。
自分が行こうと決心した事を変える気はさらさらない。
考え込んでいるディアを心配そうに見ているシーフィラノ。
『僕も一緒にカルマキルに行くよ。ていうより帰るだけどね』とアルカディアとの同行を申し出てきた彼。
彼が何者なのかも気になるところだが、会ってから今まで、のらりくらりとかわされて、もう問いかける気は失せてしまった。
『そんなに僕のこと知りたいなら、過去の僕よりこれからの僕を見ていて』
とにっこり笑顔。
たぶん、口では敵わない、と悟った。
悩んでいる暇などない。さっさと行って、理由を聞いて、自由の身になりたいのだ。
「シノ。あの船に乗るぞ」
今日の最終便。これを見送れば明日になるまで待たなければならない。
大陸までの時間は訳1日かかるのだ。
途中リサニル国の領土である島で停泊して一泊することになる。
チケットを購入したアルカディアとシーフィラノは、カルマキル国に向かう船に乗り込んだ。
そして、その姿を確認した数人の男たちも、同じ船へと乗り込んでいった。
少しウトウトしていたアルカディアはざわめきと物音で目を覚ました。
「島について、停泊しただけだよ」
すぐそばにいたらしいシーフィラノが問いかける間もなく答えを返してくる。
寝顔を見られていたのかと思うと、なんだか気恥しい思いがする。
「島には、出れるのか?」
「うん、ゆらゆら揺れる船に泊まるのが苦手な人もいるからね」
「じゃ、私も降りてくる…」
そういうと、止めようとするシーフィラノの言葉も待たずに、出口へと向かった。
小さな島だが、船の行き来が頻繁なだけあって、港は栄えている。物心ついてからテニトラニスの国から出たことがないアルカディアは、リサニル国の食べ物や工芸品など珍しく思う物も少なくない。
様々な物がたくさん、所狭しと並び売られている。
伯父と伯母の所で育った所為か、必要のない贅沢はしない彼女にとって、欲しいという興味よりも、仕事としてしていた装飾品の新しいデザインとしての興味の方が深かった。
腰よりもずっと長い、きれいな黒髪をひとつに束ね、動きやすそうな服装で装飾品などまったく付けていないが、着飾れば男達はほっとかないだろう。
そんな自分の容姿に気づいていないほど、自分に対する興味がなかった。
その市場の客の中に、怪しげな視線を彼女に送っている奴らがいる事も、彼女は気づかなかった。
『さて、戻るか……』
いくつかの屋台を回り、朝食にと少しの食べ物を買い終えた彼女は踵を返した。
と、目前に二人の男が立っている。
邪魔な奴、と思って無視しようとしたが……その顔には見覚えがある。シーフィラノの逢った時の夜に追いかけて来た奴だ。
そして背後にもいつの間にか、もう二人が詰め寄っていた。
逃げる道がない。でも、逃げなければ……。
「やっと見つけたよ、お嬢さん」
不気味な笑みを漏らしながら近寄って来る4人。アルカディアはその場を動かずじっと立っている。
『引き付けておいて、隙を衝いて逃げる』
男が捕らえるため腕を伸ばそうとした時、
『今だ!』
勢い良く男の一人を突き飛ばし、崩れた体勢から走って逃げた。
不意を衝かれた男達の動作が遅れる。
「急げ、捕まえろ!」
『捕まえられてたまるかー!!』
通りから外れて相手を巻こうとしたが、しつこく追いかけて来る。裏の路地を入って行った時、その先が行き止まりの袋小路だった。
「うそ!」
叫んでしまう。
壁の高さは十数m。よじ登る事は不可能だ。男達はすぐ後ろまで来ている。身動きが出来ない。
「"アルカディア"さん。俺達と一緒に来てもらいましょうか」
アルカディアは剣に手を延ばしかけたが、一瞬ためらう。
その一瞬を狙って彼女の下腹に男が拳を入れた。
「! 卑怯…な……」
激しく咳き込み、気を失いかけた時、別の足音が聞こえてきた。
「なんだ、お前は?!」
「その手を、放していただきましょうか」
皆様のコメントを読んで・・・どんどん小説の修正箇所が増えていくのはなぜだろう・・・(泣)
あーー、ディアの剣の見せどころ・・・・あったっけか?とかwww
勝手に登場しちゃった、すぐ上の青年とかw(シリーズ内初登場人物ですw)
頑張って、加筆していきますっ
wwやっと言えたwww
あいあいさんのとこで覚えてきた台詞です♬
「美」青年限定ですかーーーww
いやぁ、うん。確かにそうかもしれませんがw
「平行世界」で一番の美青年は誰だろう・・・・
コセラーナの兄のグーベマナ・リサニルか・・・
それとも女装の占い師さんだろうか・・・・・・ 当分はでませんw
イラストをと思ってFreeMLのマイページフォトにイラストをUPしたのですが、ログインしなきゃみれないようだw
登録している方は「はじめあき」で検索をww
今度は どんな・・・ 「美青年」が現れてくるんでしょう~~~~~>< きゃあ~~~(笑)ww
↑ すんません(汗汗);; ディアちゃん。。。 無視されてました(笑);; ごめんなさいっ!><
相変わらず素早いご来場でw すばらしいです。
女子に拳入れちゃダメだろー←