北の少年 激闘編 3
- カテゴリ:自作小説
- 2010/10/03 17:23:30
このお話は、友人のリクエストにより、篠原烏童さんの作品から共生獣の設定をお借りしています。ファンの方で不快に思われましたら、お詫びいたします。
長文なので嫌なんです~の方はスルー推奨^^;
ケニスとメルガの指揮のもと、キャラバンの一行は襲撃に備えて速やかに動き出した。
傭兵達との打ち合わせどおりに、休憩していた砂丘の影側で守りを固める。
最も貴重な荷物と水に食料、それに女性と老人を中心にすえる。
その周りを荷物用の駱駝や騾馬で固めた。
さらにその周りを、武器を帯びた男立ちが待機する。
その周りで傭兵たちが襲撃と同時に騎乗して、敵を迎え撃つ予定だ。
簡単だが、三重の防衛線がこれで出来上がった。
女性や老人も、短剣や小剣で武装した。
男たちの幾人かは、砂丘の上に陣取って弓を構えることになった。
幸いな事に今は風が吹いていなかった。
風下からでも弓を射掛けることができる。
反対に敵側の風を利用しての、弓の長距離攻撃を受けることもない。
早めの野営の準備をしているように見せかけつつ、隊商は守りの態勢を整えていった。
一方ラルムは、傭兵の1人を斥候にだして盗賊団の様子を探りに行かせた。
経験豊富な傭兵達は、斥候任務にもなれたものだ。
夕暮れ時、戻ってきた傭兵の報告を受けてラルムはケニスに報告した。
「盗賊団は夜半に仕掛けて来るつもりのようです。ほとんどが駱駝に乗った男たちで、弓や剣で武装しています。総勢は40名弱といったところですね」
「そうですか。『ケルダーの左手』の勢力は確か40人位でした。奴さんたちは総がかりで、このケニスキャラバンを襲う気らしいですね」
ケニスはしばらく考えた後、今のうちに交代で仮眠を取るように指示を出した。
今晩は徹夜覚悟になりそうだ。
休めるうちに休んでおいたほうがいいと判断したのだ。
「灯りの魔法は初歩の初歩、お前さんはもう意識を集中できるんじゃろ。ま、やってみるんじゃ」
魔法使いはそういって、赤毛の少年に目をやった。
バールオアシスを出発してから今日まで、ロヴは暇ができたら魔法使いに魔法の基礎を教わっていた。
ロヴの短剣が輝いて刃の文字が変化してから、彼の体内でいつも力がみなぎっているような気がしていた。
まるで杯のふち一杯に水が盛り上がって、今にも溢れ出しそうな感じだ。
そのせいかロブはいつも心が逸っているような、落ち着かない気がしていた。
心を落ち着かせるため、少年は馬車馬もかくやというばかりに働き続けていた。
それでも逸る心を抑えるのに苦労していた。
その様子を見かねたジェンが、魔法使いに頼み込んで魔法の基礎を習えるように計らった。
暇を持て余した魔法使いも、二つ返事でジェンの願いを聞き入れた。
盗賊団が襲撃してきそうだとゆう非常事態に、魔法の勉強はいきなりの実践に進んでいた。
「心に思い浮かべろ。灯りが灯る光景を。魔法はいかにして鮮明にやりたい事を思い浮かべるかが肝心じゃ」
「はい」
「小さいほのかな明かりでよいからな。ゆらめく蝋燭の炎じゃ。それが掌の真ん中で揺らめいている様を思い浮かべろ」
「解りました」
ロヴの声はかすれてはいたが、もう聞き苦しいひび割れた声ではなかった。
幾分低くなり、落ち着きはじめていた。
ロブは脳裏に蝋燭の明かりを思い浮かべた。
獣脂蝋燭のジジジという音と、独特の臭い。
赤みを帯びた橙色の揺らめく炎。
中心部は蒼く、芯が黒く見える炎。
自分の掌に体内の力が凝縮される。
「灯りよ、ともれ」
そう呟くと、掌に揺らめくオレンジの炎が現れた。
蝋燭そっくりの炎だが熱くはない。
ささやかな小さな灯りではあったが、ロヴが自分の意志で初めて使った魔法だ。
魔法使いは知らなかった。
自分が後世、希代の魔法王として歴史に残るロウ・ヴェインが使った最初の魔法を目にしたことを。
「ふむ。お前さん、才能があるのは間違いない。これで魔法の使い手が3人になったということじゃ」
魔法使いは満足気にそういって、ロヴの背中をぽんとたたいた。
「今晩は忙しいぞ、わしもお前さんもな」
「そうですね」
魔法の炎を消し去って、ロヴはキャラバンの方に視線を移した。
彼の視線の先には、忙しげに働くジェンの姿があった。
(ジェン、俺も今度は役にたちます。貴方だけに危険な真似はさせない。俺も一緒に戦います)
そう、密やかに決意するのだった。
はじめてロヴが自分の意思で使った魔法。
小さな灯りだけど、彼にとっては大きな灯りやね^^
私も点せるといいな~
戦いの本番はこれから。心してかからないとね。
手のひらに揺らめく小さなオレンジ色の光ってロマンチックだね♥
戦いでは、どんな活躍をみせてくれるのか楽しみだな~(◔‿◔。)
また一歩、大人の階段上がりました。
ロヴはせまりくる危険を思って、早く大人になろうとしてます。
チョコレート、一口サイズのリキュールが詰ったビターなのがいいです。
だあくさん、掌で作ってみて^^
ロヴ君、自分から魔法使いました。
これからどんな活躍するか待っててくださいね^^
私も やりたい事を思い浮かべて 目を閉じました
・・・ 手のひらには チョコが乗っていました
あ~~ チョコの美味しい季節になりましたねww
ジェンを守ろうとする気持ちが伝わってきます^^
どんな魔法がでるのか?楽しみです♪