Nicotto Town



黄昏時に

黄昏時は何故か人恋しくて
家路をたどる足が心なしか速くなる

灯りのついた窓から聞こえる団欒の声
どこからか漂う夕餉の匂い
さっき焼けていた西の空ははや墨を帯びはじめている

ふと自分が宙に浮いてしまう
今ここにいる事が現実なのか
虚ろ世の出来事なのか
過去と未来の狭間に漂う様な不安にかられる

過ぎ去った出来事と失くしたものが
次々と押し寄せてくる
惜別の寂しさと後悔やむなしさが
足早に急いでも急いでも追いかけてくる

時は黄昏
季節は秋
折り返しを過ぎた私の人生

時とバイオリズムと重なって
迷い込んだ迷宮・・・

冷えた手で瞼を押さえ
頭を振って前を見る
そこには見慣れた風景と
今すべきことが見える

さあ、家に急ごう
家族が私を夕飯を待っている



















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