Nicotto Town


-full coller program-


機動戦士ガンダム 公国の威信18

ロザリオが沈黙を破った。

「簡単な任務じゃないことは…判ってるよな?」
「もちろんです。でも…なんか感じるんです。アイツの存在を。
 カレンの為にも、俺は戦います」
「ゲオルギーがそこに居るという根拠は?」


レンはまっすぐな瞳で言った。

「勘です」


ロザリオは顔を少し緩め、虚空を見つめながら言った。

「あれは…前の大戦の中盤くらいだったかな。
 いくつかの部隊が合同で大規模な演習をやったとき、
 俺は初めてオマエを見た。そのときは未だザクに乗ってたっけな。
 それでも腕は超一流だった。比べられる周りのほうが可愛そうなぐらいにな。
 まさに武神降臨って感じだった。ただ…オマエは1人で戦ってた。
 1人で、目的もなく、ただ、敵を倒してるように見えたんだ。
 でも…あの頃と顔つきが変わったな。イキイキしてる。
 周りをちゃんと見て、他人のためにも戦うようになったよな」

そう言って、ロザリオは益荒男の顔に戻った。
 
「ブラッドリー!ミッションプランを2時間で仕上げろ!」
「へぃへぃ、こりゃ本気ださなダメだな」

そういいながらも、ブリーフィングルーム脇にあるPCに噛り付いた。
そして、それを腕を組みながら傍観していたクワトロも口を開いた。
 
「できることなら…私も何かお力になります」

ブラッドリーが顔を横にひねって嬉しそうに答えた。

「それなら、リックディアス用のオプションパーツを 用意してくれると助かるんだが」
「お安い御用ですが…どうしました?レン中尉?」

なぜかレンは苦い表情をしていた。


「いえ、MSが不足しているんですが これ以上手間を取らせるのはどうかと思いまして」
「ついでに言うとパイロットも足りませんね」


ロザリオがぶっきらぼうに付け足した。

その場に気まずさが漂った。


「パイロットなら…ここに…」


弱弱しい声がブリーフィングルームのドアのほうから聞こえた。
カレンだった。
頭の包帯は外されていた。

「アナハイム…じゃぁ、操縦系の…開発をして…いたんです…
 まるっきり…素人じゃ…ありません…」
「でも…お前…」

クワトロが、レンを制して言った。


「そんなこともあろうかと用意しておきました。非武装ですが百式を一機」
「えぇ~~~ッ!」

A.E.R.のメンバーは予想だにしない言葉に飛び上がりかけた。

「テスト用に使っていた機体が用済みになったのですよ」

ロザリオは嬉しそうな顔になって言った。

「ありがたく頂きます。ただカレン、お前はウラノスに乗れ。百式にはマコトが乗れ。
 よし、ブリーフィングを…13:00から行う。
 それまで各自万全のコンディションを整えるように。解散!」
 
 




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