Nicotto Town


夢と空と雲


綺麗な黒は私の夢 7

「ちょっと待って…前は知らないって言ってたよね??」

何で今更?

「それは、人違いか何かかと思ってたんだ。」

「・・・じゃあ、自己紹介したときどうして、知ってるって…」

「それは、もしかしてーと思って…」

「じゃあどうして、今更そんなこと言うの?」

「今日のいつか笑っただろ?」

たぶん笑ってたよね…?

「そんの時、10年前の記憶の奴と重なったんだよ…笑顔が…」

「そっ…そうなの??」

「ともかくそうなんだ…」

うー…またいい加減な返事…

「だから前は今どう思って―「おいコラ!!!」

厚樹君が何かを言いかけた時、野太い誰かの声がした。


―第7話―


―冬夏―


その声がする方を振り返ると…

「よくも、俺の後輩ブチのめしたな…」

とてもゴツく、毛深い不良だ。

マンガによく出てきそう…

「何だ…お前…?」

さっきの目とは一転して、鋭く変わった…

「名乗る必要はねぇ…俺は、冬夏(とうか)をブチのめすんだからな!!!」

寒夏??この人何言っての??

「あの「フッ、そういうことか…分かった、この冬夏様が相手してやる!!」

「望む所だ!!」

喧嘩が始まった!!!拳を構え、二人が近づいていく!!

ガシッ

二人の拳を何楽止める…

相手は、必死で前に力を込めている(?)が、私にはそんなに力が入っているようには感じられない…

「喧嘩は…ダメだよ…?」

「お前…女のクセしてどうして俺の拳を片手で…」

「私のお父さんの方がもっとまともなパンチできるよ?」

何か、挑発っぽいかな…?

「ひとまず、逃げよ!!厚「冬夏だ!!!」

「うん、冬夏君!!!」

ぽいっと、ゴツイ人の手を放り投げた。


―――――――――――――――――――――――――――


「ココまでくれば大丈夫だろう…」

厚樹君(冬夏君)は息切れしてる…そんなに走った…?

「ねぇ、どうして厚樹君は冬夏なの…?」

私の疑問を素直に聞いてみた。

「なあ、櫻田高校って知ってるか?」

「櫻田…?あぁ、あの進学校の!」

「あぁ、その学校に野島 寒樹(のじま かんき)といのが居る。」

野島…?厚樹君と同じ名字…

「そいつは俺の双子の弟。あいつは秀才やってる。表向きは…な」

表向き…?

「あいつは元々俺とよく喧嘩してたから、喧嘩は強いし、喧嘩が少し好きだったりする。」

「うっ…うん…」

「俺は元々不良。寒樹は秀才。んで、双子だからよく顔も似てる。」

何か、正反対…

「だから、俺らは架空の人物を作った。」

「それが、冬夏…」

「そう。」

なるほど…

「寒夏という名の由来は…まず厚樹の厚。あつは暑とでも良い。だから夏。
 寒樹の寒は寒い。寒いのは―」

「冬…だから、冬夏に…」

なるほど…

「んでさー」

「うん?」

「俺は園児の時から明日香が好きだ!!お前は…お前はどうなんだ…」

「えっ…」

私は…私は…

「私は…」

チュッ

私は厚樹君の頬にキスをした。

「こういうこと。」

そうすると厚樹君は、私がキスした所を左手でおさえ、顔を赤くし、そのまま地面に座り込んだ。

「えっ…あぁぁぁ、ゴメン!!!」

「いや…良い…謝らなくて…」

「あっ…うん…」

初めて行った縁日の日、私は初めての彼ができた。

私にとっては、縁日じゃなくて、縁日(縁結びの日)だね。!!!!」


―第7話―

―冬夏―END

アバター
2010/11/07 16:03
一揆読み中b



Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.