Nicotto Town


夢と空と雲


綺麗な黒は私の夢 8

あれから呆気なく終わった夏休み…

まだ顔がニヤケてる…よね…?

「明日香ー、聞こえてるー?」

「うーん?なぁに…?」

あぁ、何か…気が楽って感じ…

「転入生くるらしいよ。長野から」

ビクッ

長野…私の前の前のいた都道府県…

ちなみに前は、大分。

「私知ってる子なわけないよ?だって、長野は広いからもっと違うところの子かもよ?」

「水城中辺りの子らしい…けど…?」

「ふーん…って…えぇぇぇ!!!!」


―第8話―


―転入生―


私は心臓がすっごいドキドキしてる…

まずい…まずいって…

どうしよう…

「どうしたんだよ、明日香。」

「ふぇ?」

目の前にいたのは零ではなく、厚樹く…厚樹だった。

「だからどうしたんだ?」

「あっ…えっと…転入生がもしかしたら、私が__の時の知ってる人かも…」

「えっ?明日香って知られちゃまずいことあったの?」

不思議そうに零が聞く。

「私が、不良だったこと…」

「あぁ…明日香のお父さんが教えたんでしょ?」

「どっ…どうして、零がそのこと…」

私…零に嫌われると思って言ってなかったのに…

「勘。」

「えっ?」

勘???

「明日香のお父さん、そんな感じプンプンするもん。」

「へっ、へぇ…」

私には、普通のお父さんにしか見えないんだけど…

その時―

「全員席に着け。」

先生の声…

う…すっごい心配だ…

「それでは…皆も噂で聞いただろうが,転入生を紹介する。どうぞ。」

うっ…絶対マズイよ…

目をギュッと瞑る。

ガラッ

教室の扉が開く音がする…

教室がざわつき始めた…

恐る恐る目を開いた…

「奈澤永治です。よろしくお願いします。」

顔は整っていて、眼鏡をかけている。

髪はこげ茶。零に似ていて丸っこい…

そんなことを考えていたら…

一瞬目が合った気がした。

気のせいだよね…

「あたしはアイツ嫌だね。」

「えっ?」

「だって、何か裏がありそう…」

そんなこと聞くと、厚樹の弟思い出すな~

裏表あるらしいからね。

「明日香、アイツには気をつけな。」

「えっ?なんで??」

「あたしの勘だよ、勘。絶対だよ。」

私は、疑いもありながら頷いた。

でも、「大丈夫だよ。」私はそう思っていた。

しかし、あとで後悔することも知らずに…。


―第8話―

―転入生―END

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2010/11/07 16:05
一揆読み中b



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