北の少年 激闘編 6
- カテゴリ:自作小説
- 2010/11/10 18:57:53
このお話は、友人のリクエストにより、篠原烏童さんの作品から共生獣の設定をお借りしています。ファンの方で不快に思われましたら、お詫びいたします。
長文なので嫌なんです~の方はスルー推奨^^;
ラルムは自分の長剣を右手に構え、鞍の上で腰を浮かせて全速力で馬を駆けさせた。
左右に蹴散らした砂が、煙のごとく舞い上がった。
少し遅れて他の傭兵達が後に続く。
盗賊側は、向かってくる傭兵達に迎撃の態勢をとろうとした。
だが、間に合わない。
駱駝達は、まだ弓の攻撃による混乱から立ち直っていなかった。
混乱を収めようとする者、逃げ出そうとする者、先に進もうとする者。
動きがばらばらで、統一の取れた行動はできそうになかった。
ラルム達は雪崩のように襲い掛かっていった。
構えた剣で、馬が駆ける速度にあわせてなぎ払う。
人を切った重みが、右手にずしりと感じられた。
ラルムの視界の端に、鮮血を吹き上げる男の顔が映った。
続いて二撃目。
かえす刃で駱駝に乗った男を、地面に叩き落す。
走る速度を緩めることなく、盗賊達の真ん中を文字通り切り開いてゆく。
恐れをなした男たちが、慌てふためいて二手に分かれた。
幾人かはそのまま逃亡していく。
「逃げる奴は捨て置け!」
ラルムは大声で叫び、馬の手綱を強く引いた。
彼を乗せた逞しい馬は、勢いに任せて進んだ後、棹立ちになって急停止した。
やや遅れて他の者もそれに習う。
最初の攻撃では、誰一人怪我を負った者はいなかった。
砂塵が舞う中、ラルムを中心に血塗れた剣を構えた傭兵達が及び腰の盗賊と対峙する。
彼らの全身から、戦場に望む者の気迫が感じられた。
ラルムが空いた手を軽く上げて、さっと振り下ろした。
その合図に従って、男たちは再び剣を構え馬の横腹に軽く蹴りを入れる。
「に、逃げろ!」
誰かが叫んだ。
傭兵達が向かってくる反対の方向へ、混乱した駱駝の群れが暴走を始める。
その先に待っているのは、盗賊を迎え撃つべく準備を整えたケニスキャラバンの一行だ。
「よし、作戦成功だ!このまま追い込む!」
ラルムたちの速攻が功を奏して、盗賊団は予想通りに傭兵よりは弱い人間がいるはずの、隊商の野営地向かって走り始めた。
「ケルダーの左手」の首領は、自分の目を疑いたくなった。
信じられない光景が、目前でおこっている。
わずか6人の男たちが、その数倍の人数を翻弄している。
この人数程度の隊商を幾度も襲い、略奪を成功させてきた。
今度も襲撃は成功、その筈だった。
ケニスキャラバンの内情は、あの方から事細かに教えられていた。
偵察の報告も、襲撃を悟られた様子はなかった。
「馬鹿な、こんなはずは…!」
女子供もいる隊商を襲って荷物を略奪し、ついでに赤毛の少年が持つ短剣を頂くだけの軽い仕事。
そのはずだったのに。
自分の一味は、「ケルダーの左手」は、もはや崩壊したも同じだ。
「なんで、あんなに凄腕の傭兵どもがついていやがる!」
「若…いえ、お頭。どうするつもりで?」
傍らの中年の盗賊が、ちらりと首領の顔を眺める。
男の表情は、苦虫をかみつぶしたような渋いものだ。
先代から今の首領に代替わりしてからというもの、「ケルダーの左手」は様変わりしてしまった。
砂海の盗賊団に代わりはないが、今までは隊商の積荷を奪うだけで、徹底的に相手の命を奪うようなことはしなかった。
砂海で最も大切な水を奪い取るような真似もだ。
だが、今は違う。
砂海の盗賊団の中でも、最凶の評判をとるようになってしまった。
古株の彼には、それがとても不満だった。
「・・・に成るはずだったんだ」
「なんですって?なんていいやした、お頭?」
「貴族になるはずだったんだ!俺は、貴族に!」
首領は肩を震わせ、絶叫した。
「短剣を渡して!俺は貴族になるはずだったんだー!」
「何をいってやがる、こいつは?」
錯乱したかのように絶叫する首領を、男はただ呆然と見つめていた。
「2人で組になって、追い込め!」
ラルムの短い命令に従い、傭兵たちは3組に分かれて盗賊たちを追い始めた。
後ろから追い上げ、最後を走る駱駝の乗り手に襲い掛かる。
馬と駱駝が舞い上げる砂塵の中で、追いつ追われつの戦いが続いている。
隊商の陣営から、ジェンはその様子を全部眺めていた。
統率のとれた専門の戦闘集団と、素人に毛が生えた程度の盗賊では、動き方が天と地ほどの開きがある。
ましてや熟練した傭兵の彼女がみたなら、その差は間違えようがなかった。
「そろそろか。撃ち方用意!」
ジェンは良く通る大きな声で叫んだ。
ケニスキャラバンの面々が、それぞれの弓に矢をつがえる。
ジェン自身も、アルバの都で買った黒ノエラの弓に矢をつがえた。
「風の魔法の用意!」
魔法使いとロヴの2人が、目を閉じ、風の精霊を召還する。
ジェンの周りに、緩やかな風が吹き始めた。
「てっーーー!」
十数本の矢が砂塵の方向に向かって、一斉に放たれた。
せっかくアップしたのに、消した馬鹿は私><
ごめんなさい。
そう感想もらえると、なんかほっとする。
戦闘シーンてやはり苦手、なのにまだまだ書かんとあかん^^;
中世のイタリアでね、一介の傭兵から領主に成り上がった人いはるよw
貴族ね~。
成功したとして、保証されていたとはとても思えないけど!
でも案外そんな感じで地位を手にしたって話も実在しそうだよね。
せっかくコメントしてくれたのん、消してしまってごめん><
何をしてたんやら^^;
ううん、気にせんでええよ。
こっちこそ、ありがとう^^
ジェンの声がナウシカですかw
たしかに、あのシーンをイメージしながら書いたから響いたにかもね^^
戦闘シーンは、私ははらはらしながら書いてます・・・ちゃんと戦闘になってるかなって。
昨日は本当にありがとうございました\(^o^)/
ジェンの 「てっーーー!」が なぜかナウシカの声とかぶりました^^
戦闘シーン ドキドキです♪