屋上問答
- カテゴリ:小説/詩
- 2010/11/11 16:59:50
始まりのサイレン
秋がため息をつく
蒸し返す色
記憶に酸素不足ね
冷たい 雨が指に落ちた
あの日の雪みたいには
笑えない
一筋あなたが照らした時は
あたしを揺さぶる魔法
誰にもあって間違いじゃない
だけど今 この柵を越えて
真っ白にサイレント
冬があたしを隠す
忘れ去った色
氷っても熱い雫
汚い人の指が触れた
いつか あなたも同じ?
壊れる
少しずつ波が溶け合って行く
あたしを戻す体温
寂しい夜に確かめた息が
今に繋いだ
優しい言葉が射し込む窓は
カーテンを引き裂いて
誰にも開ける心じゃない
だけど今 足をかけた
引き返す波 何を忘れたの?
さよならも返ってきちゃう
だから 愛してる
一筋あなたが濡らした頬は
あたしの為に染まった
誰にも訪れては過ぎていく
ねえ今 身を乗り出した
少しずつ波が収まって行く
あたしも泣いて良いかな?
寂しい夜に確かめた光
今をなくしたくない
優しい言葉が射し込む窓に
カーテンはいらない
誰にも開ける心じゃない
だから今 君の元へ
階段をかけ降りて