創作小説「雷獣 ~復活遊戯~」(1)
- カテゴリ:自作小説
- 2010/11/17 00:14:23
ジャンルはファンタジーです。
もうちょっと間をおこうかなと思ったんだけど、プログネタがない><
ま、ゆっくりとUPしていきます。
予定としては7話くらいで終わると思います。
第1話
森の中をホロのない一台の馬車が走っている。
「この調子だと、明日の昼までには帰れそうだな」
年齢は40歳くらいだろう壮年が、周りの景色を見て呟いた。
国に4つあるという法院のうちのひとつ、西院からの帰り道。
新しく北院の院長となったジオラが国王の住む王都に顔見せとして参内し、西院に立ち寄った帰りであった。
先日から数日降り続いた雨も今日は上がり、空気は少し湿っているとはいえ風は心地よい。
ジオラの共をしている15歳の少年・エンユも大きな欠伸をかみ殺して馬車に乗り込んでいる。
「?」
ふと異様な気配を感じ取ってエンユは森の中を伺い見た。
「どうした?」
「風が妙な気配を……」
静まり返った森の中。まだ乾き切っていない雨の滴が木漏れ日で輝いている。
「ジオラ様、見て来ます」
ためらう事なく馬車から身を乗り出し飛び降りる。
すんなり着地してそのまま森の中へと向かって行く。
「こら、エンユ! 待ちなさい!」
急ブレーキをかける馬車からのジオラの叫びもエンユの好奇心の歯止めにはならなかった。
雑草の茂わたる湿った土を踏み分け、エンユは森の奥へと進んで行った。
「確か、この方角だったと思ったんだけどなぁ」
独り言を呟きながら進んだ先に、ぽっかりと陽があたって明るくなっている場所を見つけた。
数本の木が焼けたためにできたらしい。
そう古くはない燃え残った残骸がやけに痛々しく感じる。
「でも、自然の火事にしては範囲が狭いしなぁ……なんだろう?」
10m四方の焼け跡。
思案していたエンユは突然後ろから現れた、異様な気配にゾクリと悪寒を感じ、勢いよく身構えて振り返った。
「!」
木々の間から現れたのは小さな子供。
「……こんなところに…子供……?」
「……ころしに、きたの……?」
呟いた言葉の意味を、理解するのに間がかかった。
声は幼いがしっかりとした口調。
「え…何言って……」
近寄ろうとした子供の足元には、かつては人であったと思わせる形をした黒い物体。
一瞬、立ちすくみ、再び視線を子供に向けた。
子供の瞳が輝いていた。
金色の、野生の獣を思わせる鋭い瞳。しかし、怯え震えているようにも感じられた。
「大丈夫、俺は傷つけたりしないよ」
両手を広げる。
「一緒に、行こう」
両膝を地につけて、招きよせる。
警戒心を露にしていた瞳も弱まる。
風が、二人を包み込むように駆け抜けて吹いた。
光を失った茶色の目からは大粒の涙が溢れ出し、エンユの腕の中で閉じていった。
エンユはそっと大きく息を吐き、起こさないように抱き上げた。
「妙なモノを、拾ってしまった………」
言葉とはうらはらに、優しい笑顔を浮かべていた。
第一話のお届けですww
コレはもとはある話のパロディ小説でした><
映画化の際に、原作にないキャラにハマリ、彼を楽しむためにと小説を書き始めたという私の原点のモノ。
原作とは遠く離れた小説だったので、もうここは設定を根本から変えてしまえーっということで、オリジナルの世界観を作ってしまいました。
元作品が判った方は(そうそういないとは思いますが)胸の内で笑っておいてやってくださいww
ということで、私の不動の一番のお気に入りキャラ、エンユをよろしくお願いしますww
エンユさん
(^^)
幸せです~~ww
最愛のキャラ、エンユの活躍を楽しみにしています♪
新しいお話たのしみです
で?これは
平行世界の住人ではないのね?w
楽しませて頂きます♫