Nicotto Town


夢と空と雲


綺麗な黒は私の夢 16

「じゃあ、リハーサル行くよ!!」

赤羽根監督の声がする…

もうそんな日だっけ…??

「明日香そんなにかたくなんないで!!」

「厚樹…お前はイザという時にミスをする。
 リハーサルがよくても、本番が駄目なら意味が無いんだからな!!」

「んだよ、寒樹!うっせーな!!」

「事実を言ってるまでだ!!」

「んだと!!」

「待った!!!」

「「ん?」」

二人とも…

「ココ…舞台上手なんですけど…?」

そう、つまり本番ならお客さんに丸聞こえ…

「・・・分かったよ…」

「素直に聞いてくれれば良いんだよ。」

「じゃあ、リハ始めるよ!!」


―第16話―

―開始―


体育館の校庭側にある扉の前で体育座りをしながら考えた。

あの後のリハーサルは何のトラブルもなく終わりを迎えた…

本番何が起きるか分からない…

例えば、ずいぶん前に縁日行ったでしょ?

あの時誰かさんと喧嘩しかけたこと…あったよね…?

だから、その恨み晴らす為に文化祭ぶっ潰すとか…

あぁぁぁぁぁぁ!!!

考えただけで嫌だなぁ…

「どうしたんだよ明日香?」

衣装を着た厚樹が後ろから声をかける。

「いや…何でもない…」

顔を膝に置かせる。

顔見られたら、絶対何かあるように思われるぅ…

「何かあったな。」

私の隣に腰をおろす。

やっぱり…分かる…か…

「…前に縁日行ったでしょ?あの時誰かさんと喧嘩しかけたこと…あったよね…?
 だから、その恨み晴らす為に文化祭ぶっ潰すとかあったりとか…
 って考えてたんだ…」

「・・・・・」

何も返事がない…

やっぱり、心配し過ぎなんだよ…私が…

「やっぱり、今の忘れて!!」

「・・・・・」

しかし反応がない…

「もしそうなっても、良い方法あるぞ?」

「えっ?」

「それは______________」

なっ、なるほど…でもそれって…

「ねぇ…いちおそれもそれだし…先生に怒られないよね…?」

「大丈夫だ。そっちの方がリアリティあって面白いだろ?」

「でっ…でも…」

「大丈夫、だって!」

気のせいかな…?

厚樹の笑顔が、いつもより活き活きしてる…

何か変なこと考えてないよね…?


――――――――――――――――――――――――――――


「スタンバってよ!!!」

赤羽根監督の声…

うわぁ…緊張する…文化祭1日目…明日もあるのか…

心臓バックバク!!!

『じゃあそろそろ交代??』

「うっ…うんって、よく緊張しないね…」

『だって…何でだろう…?』

「良いよ…ね…そういうの…」

あっ、…意識…が…

「どうしたの?鎌内さん?」

『いえ、何でもありませんから…安心して下さい。」

「そう、なら良いけど…」

≪ブー≫

すごく機械ぽい、舞台の始まる音がする…

<それでは、1-Bの劇『遠い昔のくノ一少女』を開始します…>

行くよ!!明日香!!!

「何か、変な気分…」


―第16話―

―開始―END

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2010/11/23 11:41
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