冬の夜長にこの本を 「クジラの彼」
- カテゴリ:小説/詩
- 2010/11/27 19:38:58
自衛官だって生身の人間だ。
泣いて笑って怒って…そして恋もする。
陸海空、それぞれの自衛官を主人公にした真面目で少し不器用な恋人たちの恋愛短編集。
面白くて、少し泣かされて、へ~と納得する本だった。
表題のクジラとは、潜水艦をさす。
主人公の聡子は、海上自衛官との合コンでであったイケ面冬腹と付き合い始める。
彼はただの海上自衛官ではなく、潜水艦乗りだった。
任務で航海にでたら、機密を守るため何ヶ月も連絡がつかなくなる相手だ。
連絡の取れない遠距離恋愛は辛い。
その切なさがなんとも哀しい。
ラスト近く、半ストーカー状態になっていた、聡子の直属の上司の前で、やっと出会えた恋人たちが抱擁するシーンは、思わず拍手喝采してしまった。
有川浩さんの文体は、さらりとして重くない。
でも、その底に流れる人間を信頼している「暖かさ」が私は好きだ。
ラノベで出会った「塩の街」からそれは変わらない。
表題作以外の短編も、にやりとしたり、ほろりとしたり、とても気持ちよく読み進められた。
素敵な物語をありがとう。
これは自衛隊3部作で長編の「海の底」と「空の中」のアフターストーリーでもある。
しかし・・・まだ積読してるんだよなw この2冊は~^^;
でも、読んでなくても単独で大丈夫♪
真夏のオリオン…戦時下の潜水艦のにらみあいのお話やったっけ^^;?
いくつかの短編はアフターストーリーだそうです。
でも、無関係でもちゃんと恋愛物として成立♪