Nicotto Town


夢と空と雲


壊れゆく片割れ 1

「おい、パース!!!」

「うん!!」

ダーン!!!

ボールが蹴られる音がする。

タン!!

僕のパスが繋がる。

「ナイスパス!!華々里(かがり)!!」

「うん、ありがとう。」

普通のやり取り…でもこれは普通じゃない…

だって僕…ロボットなのだから…


僕は国の監視下の元生活してる。部屋なんかない。

友達皆自分の部屋ある…良いな…

でも僕以外に、ロボットいる…

それは双子の兄、佐々里(さざり)。

僕と違う。全然…頭良いから…

でも僕頭良くない…

何でも、継続と発達を調べてるらしい…

でも二人とも、サッカー好き!!!

これ、共通点。

あっ、あと顔似てる。


「おい、華々里!!」

「うん!!」

ちなみに僕のポジション、FW(フォワード)で、攻める子。

佐々里は、MF(ミッドフィルダー)で、中間の子。

「いけ!華々里!!!」

「うん!」

バーン!!!

自分の力精一杯で…蹴る!!

ビューーーーン!!!

「ゴーーーール!!!!!!」

審判の子の声…

「やった!!!入った!!!!」

「よし、このままで行くぞ!!!!」

「うん!!!」

「華々里!!!!」

ビクッ…

この声は…

「華々里!!!時間です。行きますよ。」

そう、僕の兄の…佐々里…

「うん…でも…試合まだ…」

「私だってやりたいですよ…でも…」

そう…これからメンテナンス…

あんまり好きじゃない…ううん、嫌い。

だって、痛い…身体中…

今日何があったか、全部見られる…

隠し事なんてできない…テストの点とか…

テストの点悪いと、怒る…周りの大人…皆…

皆言ってる、「俺達の成績が落ちる」って…

成績…?僕の方が悪いんじゃないの…?

たまに、サッカーの試合出れなくさせられる…

だからメンテナンス行きたくない…

でも、行かないと…怒られる…

「うん…分かった…行くよ…ゴメン!!皆!!!」

「あぁ、良いよ良いよ、いつもの事だろ?今度は佐々里も一緒にどうだ?」

「はい、参加させてもらいます。行きますよ、華々里」

「うん!!」

今日は珍しく行ってみる…うん、何となく…

ギギ…

その時はきずかなかった…

壊れゆく…『自分を…』


「いっ…痛い…でも…でも…終わった…」

「華々里が、普段来ないからですよ。慣れれば平気ですよ。」

「でもー…」

嫌いな物は嫌い…

だって、嫌い何だもん…

「早く行きますよ。」

「えっ?どこに??」

「勉強です。」

「えっ…」

言葉をなくす…

だって…勉強嫌い!!!

断然サッカーしてる方が楽しい…佐々里も好きなはずなのに…何で…?

好きなことしちゃいけないって…誰が言ったの…?


「昨日は…ゴメン…」

「気にすんなよ華々里!!お前の一点で勝てたんだから!!」

「でっ…でも…」

僕居たら、もっとシュート打てた。

もっと点入ったかもしれないのに…

「だって、すっげー離れてたら、やる気無くすだろ?」

「たしかにそうかも…」

「だからだよ。」

にこりと笑う…

「ねぇ、今日は大丈夫だから…また試合しよ!!」

「良いぜ、じゃあ今日サッカーやろうな!!」

「うん!!!」


「ピー!!!!!!!」

ホイッスルが鳴る。

ちなみに今日は佐々里いるだ。

ポーン

ボールの蹴られる音…

よし、試合スタート!!!


「ヘイパース!!!」

「おぉ!!」

バーン!!!

ポーン

僕のチームでちゃんとパスが繋がってる…

よし、上がるか!!!

「パス!!!」

「了解!!!・・・・いけー!!!!華々里!!!得意のオーバーヘッドだ!!!」

「うん!!」

皆が僕にまわしてくれたんだ…

「いけぇぇぇぇ!!!!」

バーーーーーーーーン!!!!!!!

勢いよくボールを…蹴った…

その時だった…

ウィーーーーーーーーー…

身体が…動かなくなった…

そしてそのまま…

ガンッ!!!

「華々里!!!」

いっ…意識が…どこかへ…

飛んで…いき…そ…ぅ…


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