「可愛らしい」系の萌え絵が苦手だ。
ヲタク向きの漫画・アニメには、ふっくらした頬に大きな目、「可愛い」印象を押し出したいのだろう女の子の絵が多い。
頭身が高くてロングショットがスマートな印象になる絵はまだいい。幼い可愛さをねらったバランスで、大きな目が配置されている絵を見ると、なんだか身の置き所がない気分になる。

見すぎて食傷したのもないではないが、主たる原因はそこじゃない。
こっちのせいだ。絵が悪いんじゃない。黒歴史、というヤツ。
ハズカシイ過去の記憶が刺激されるのだ。

マンガ絵を描く（描いていた）女性には、わりと憶えがあるのじゃないだろうか。
こどもの頃、わたしだと小学校時代だ、あのテの可愛い系の絵を描いていた人は多いと思う。
無論、ずっと稚拙な劣化版なわけだけど、だからこそ、それを思い出して複雑な気分になる。

恥ずかしい。
穴があったら隠れたい。いや、むしろ穴掘って埋まってでも隠れる!
それくらい気まずい、居心地が悪くなる。

で。「可愛い」を目指して下手な絵を描いていたわたしがその後どうしたかというと。
もともとあまり少女漫画を読まなかったうえ、後にアニメ『装甲騎兵ボトムズ』にハマり、登場人物等を描いているうちに絵の方向がまるで変わった。
ボトムズのキャラクターデザイン・塩山紀生氏の番組TV版当時の絵は、人間はほぼ六頭身、身体のバランスも現実に近くて、スマートに理想化された他のアニメ絵とくらべると、野暮ったく見えるほど（そこがいいのだけれど）だった。
現実に近く、でも格好いい絵が描きたくて、一生懸命クロッキーした。
……の割に上手くならないままなのは、いかがなものかと思うのだが。

考えてみれば、現実にやや近いバランスの絵も、描こうとして上手く描けない惨状は同じだろうに、抵抗がすくないのは何故なのだろう。
描いてる時点で、自分が下手だと自覚があるか無いかの差だろうか?
悟ったというか、悟らざるを得なかったというか、絵の方向が変わった頃が自覚がでてしまう時期だったということなのだろう。下手だって。
……なんだか悲しくなってきたぞorz
あまり深く考えてしまうと、絵を見ることそのものが苦手になってしまいそうなので、よそう。

そんなこんなで、いわゆる萌え絵が苦手だ。
苦手な絵でも、気になれば見るし読みはする。
時には「いいなぁ～」と思い入れるようになることだってあるが、どちらかといえば、やはり敬遠気味ではある。

面白いものを見損じてるような気は、する。勿体ない。
でもやっぱり、なんか気恥ずかしいんだよなぁ……