ケルン。
- カテゴリ:日記
- 2009/03/23 00:56:41
3月11日、強い風の音で目を覚ます。外は猛吹雪。
カロリーメイトとスープの軽い朝食をとりながらコンパスと記憶を頼りに
昨日の軌跡を地図に赤く記していく。時間がかかりすぎている。
この天候ではあと2日もたないかもしれない。無理を承知で一気に山頂
まで登ることにした。
5時40分、雪が小降りになったのを見計らって出発、胸まで埋まった雪
をピッケルで掻き分けながら前に進む。疲労が激しい。動いている間は
汗だくになるが止まるとたちまち凍りつく、気温-15℃。天候は相変わら
ず気まぐれで吹雪いたり止んだりしている。
午前10時ごろホワイトアウト。濃いガスで視界がゼロになる。今自分が
どこにいるのかすら分からない。焦りはあるが下手に動くと二次遭難に
なる恐れがありじっと待つことにした。
40分ほどして開けてきた視界の前方に見覚えのあるケルン。。。そこは
過去の事故現場だった。近づいてそっと手を合わす。
ふと見ると雪の当たらない石の蔭に見覚えのあるタバコ。多少濡れては
いるがまだ新しい。
確信に変わった、間違いないヤツはココにいる。
*
この山を登るとき、行きに未開封のタバコを置き、帰りに封を切って一服
するのが暗黙の習わしとなっていた。タバコは未開封。上だ。先を急ぐ。
そこから1時間、目の前にこのコース最大の難所 氷壁が迫る。ここでの
事故がイチバン考えられ周囲を丹念に捜索する。幸い何も見つからない。
ここからはアイスクライミングになり垂直の壁をよじ登る。氷の状態が悪く
道具が上手く氷に食い込まない、雪中を強行突破している体にはかなり
きつく時間が永遠に感じられた。
それでもなんとか登り切り、また深い雪の中を進む。
疲れた。『もう充分だろ』さっきからもう一人の自分が言う。ここで引き返そ
うか、何度もそう思った。そのたびに昔を思い出していた。3人でした馬鹿
話、そしてそのうちの一人の捜索を諦めたことを。『また後悔するのか?』
自分に問いかける。そしてまた歩き出す、これの繰り返しだった。
*
あたりに夕闇が降りてきた、風をよけられる場所にテントを張って夕食をと
る。明日は最後の日としなければならない。食事は節約してきたためなん
とかなるが自分の体力が持たない。今日中に目標の山頂まで届かなかった。 ・・・ (つづく)
読むのが辛いよ~(T_T)
また、続くだぁ~~
早く、お友達と再会して欲しいよ~~
雪山の恐さは十分わかったから~~
お願い(>人<)
無事に帰って着て欲しいです。