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シン・ドラマ汁


ドラマ【続・遠野物語】

続・遠野物語
NHK 12月21日夜10時~
【あらすじ】[ずぶぬれ]東京で雑誌記者をしている葉子は、行く先々で雨に見舞われるため、仕事仲間に雨女だとからかわれていた。そんな彼女が遠野に取材に行った時のこと、やはり雨が降りしきり、車を運転していた葉子は不意に前に現れた黄色い傘を持ち赤いランドセルを背負った少女に驚き、急停車する。外に出た葉子は少女に無事だったか問うと、少女は「あっちから来た」と、ある農家に葉子をいざなった。少女によると、そこの主人は山で遭難したのに、老いた妻は今日主人が帰ってくると言っているらしい。[マヨヒガ]遠野の川で川上は仕事の後輩とともに釣りをしていた。後輩は以前このへんでマヨヒガを見たと言い出す。マヨヒガとは人気のない山奥などに突然現れる豪邸のことで、中には誰もいないがたった今まで誰かが食事でもしていたかのようにご馳走が並べられ、高価そうな家の調度などを持ち帰ってもいいと言う。ただそのマヨヒガは心がきれいな人にしか見えないらしい。

【感想】どうやらNHK盛岡制作らしい。以前広島も緒方主演ドラマの遺作となった「帽子」や、室生犀星の小説を原田芳雄×尾野真千子で映像化した「火の魚」など、各界で高評価を受けたドラマを作っているが、恐らくそれの岩手版なのだろう。だが思いっきり肩に力が入ってる「帽子」や「火の魚」と違い、岩手のそれは東北限定版「世にも奇妙な物語」のようであり、ヒューマンドラマ性よりもエンタテイメント性を追求したような作品だった。特に「マヨヒガ」の方は時間も短かったし、夢落ちというラストだったせいもあり、平均的な出来の「世にも~」といった感じ。だけど「ずぶぬれ」の方は、この世とあの世の狭間のような不思議な世界をゆっくりしっとり描いていて、私的にはかなりよかったと思う。生きている人なのか死んでしまった人なのかわからない人が出てくるけれど、最後までどちらなのかはわからない。また妖怪っぽい少女も出てくるけど、こちらも最後までやることは普通の少女である。まだ充分こちら側に引き返せる余裕を持った接触という感じだった。また、龍馬伝の吉田東洋でもおなじみの田中泯が、その生者とも死者ともつかぬ男の役だったんだけど、存在感が圧倒的だった。宮本信子が珍しくド田舎のばあちゃんを好演していたが、田中は最初のセリフ「来い」の一言だけで、もうそんなものふっ飛ばしてしまった。とにかくこの田中の存在感と、投げっぱなしが心地よい不思議さを醸し出すストーリーがなかなかよかったので、このドラマは年1くらいでいいからシリーズ化してほしいね。ただタイトルの「続」は、他のドラマの続編なのかなと思わせるので、「新」とか「改」とかの方がいいように思う。




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