下山。
- カテゴリ:日記
- 2009/03/24 00:47:03
3月12日、昨日までと打って変わって静かな朝となった。夜明け前、月に照
らされた果てしない雪原は物音ひとつ聞こえない。残り食料は約2.5日分、
いや2人なら今日1日分にしかならない。今日中になんとか連れて帰りたい。
もし無理なら...いや、考えまい。
待ってろ、必ず見つけてやる...
*
日中はかなり気温が上がっていて少し体を動かすと全身から汗が噴き出る。
例年の3月は白銀の世界のはずだが今年は早くも岩が露出している。また、
雪壁のところどころに亀裂が入っており危険極まりない。ゆるんだ足元をつっ
つき確かめながら一歩づつ前進する。
山間にときどき地鳴りのような音がひびいている。雪崩だ。雪が緩んで雪崩
が多発しているに違いない。もはや一刻の猶予もない。ルートを選びながら
慎重に足を運ぶ。
そのとき斜め前方の亀裂と物音に気が付いた。いや、遅い。たちまち轟音と
ともに巨大な雪塊が襲って来た。荷物を放り出して流れを横切る方向に走っ
たがとても間に合わない、雪崩に巻き込まれた。
氷と雪塊が混じってものすごい勢いになっている。その流れの中で必死にピ
ッケルを突き立て耐衝撃姿勢をとる。
どのくらい流されたろうか、幸い意識は失っていなかった。全身に痛みはある
がケガはしてなさそうだ。雪の中にいると上下がわからない。必死にもがいて
雪上に頭を出すことができた。流された距離約200m、一歩間違うと谷底へ
まっさかさまの危ないところであった。
10分ほど探して荷物も発見、ケガをしていないのをもう一度確かめてまた歩
き出す。
*
昼少し前山頂が見えてきた。ここまで登山者の痕跡はなし。山頂まで登った
ら周囲を少し捜索する程度で引き上げなければならない。絶望の思いに足が
上がらない。
最後の尾根から谷を見下ろすと谷の向こうに穴がある。洞窟?こんなところ
にクマはいない、明らかに人によって作られた雪洞だ。小さな希望に谷を駆
け下り雪洞へと走る。
氷を砕き雪洞の入り口を広げ中を確かめると、いた!そこにヤツはいた。
丸まってじっとしている。声をかけても全く動かない。激しく体をゆすったが反
応はない。諦めかけた時「遅いじゃねーか...」消えそうな声で応答があった。
足をけがしている彼を安全な場所に移し、ありったけの暖をとらせて食料を与
えた。彼の話では山頂まであと一歩のところで谷に滑落、足をケガした彼は
残る力で雪洞を掘ってじっとしていたらしい。
自力の下山は無理と判断し、彼の大嫌いな救助隊に途中まで迎えに来ても
らうよう無線で要請。合流地点の小屋までは、背負うかなんとか自力で歩か
せた。
*
救助隊に助けられた彼は山麓から救急車で病院に運ばれた。ひどい凍傷で
場合にっては患部を切除しなければならない可能性がある。それでも命があ
っただけで儲けものと彼は苦笑していた。
自分では気がつかなかったが彼と下りてきた自分も相当ボロボロだったよう
だ。車に乗せられそのまま病院に宿泊させられる羽目になった。
以上がこの数日間の出来事、迷惑はかけられたが無事でよかった。
しかし何日も会社を休んだおかげで仕事も膨大な量に膨れ上がっている。こ
の埋め合わせはどこかでしてもらわねば割に合わない。
本出したら?(・∀・)
(*´艸`*)
そうなんです、つい最近の話。
おかげさまで無事でした。
(((゜д゜;)))
ましゅsan生きててよかったよ(つД`)゚・,
ありがとござます!
みーこさん
大騒ぎになるところでした、気をつけます。
やっぱり自然は怖いです。
ひつじさん
もったいないお化け ^_^;
そういう話だっけ 笑
思い残すことありありで、もったいないお化けがでちゃうよ!
・・・・・・ちょっとちがう(^_^;)?
ましゅさんまで遭難してたら大変なトコですよ。
しばらくは山には登らないでくださいね。。。
なんか、心配しちゃうので^^;笑
せっかく助かった命だから、
お二人とも、ムリせずに命大切にしてくださいね♪
すべて真っ白な世界で、ある意味幻想的。
でも確実に息は苦しくなってくる。
正直、『いっしょにいってやるよ』って思っちゃいました。
でもまだやることがあったみたい。
お友達も、ましゅさんも無事で本当によかった。
でも、ましゅさんの数日間の気持ちを思うと、つらいよ~。
冗談言えるような状態にまで早く回復できるといいね。
あんまりムリしないね。
見つかったから良かったようなものの。
まだ生きろってことなんですよね、確かにそう思いました。
うっうっうっ(>_<)
二人とも、無事で・・・
生きてて良かったよ~~
彼の「遅いじゃねーか・・・」って、言葉で彼はましゅを待ってたんだなって思ったー
二人の友情は本物なんだね(^-^)
今もまだ、病床で治療中の彼へ・・・
「あなたも、ましゅも生かされたんだよ?」って、言いたい!
生きる価値あり!
最後まで、読めて良かったww
ホッとした~~
ホント一時はどうなる事かと思いました。
いろんなところでラッキーだったのだと思います。
お友達も。
はぁ~、もう一時期はどうなるかと思いましたよぉ~。><