屋敷の中で
- カテゴリ:日記
- 2011/01/08 17:27:55
「お前ら、こんなところに盗みに入ってただで済むとは思うなよ。」
カチャッ・・・
こめかみに銃口が突きつけられる。
「おいおい、嘘だろ?」
無意識のうちに声が出ていた。
「嘘のわけないだろ?少しは、頭で考えたらどうだ?」
「・・・そうだよな。そんな嘘つくなんて、センスを疑うぜ。」
口では軽口を叩きながらも、背中を冷や汗がつたう。
「ハハハハハ!面白い冗談だ!ただ少ーしおしゃべりがすぎるなぁ、坊や?」
笑いながら腹をけりつけられる。
「ごっ・・・がはっ・・・」
「お前は何か言うことはないのか?」
「・・・何で俺が話さなければならない・・・」
男の気取った表情が一瞬消えた。
「ククク・・・君たちは本当におもしろい!おもしろいよ!本来ではおかしさのあまり、手がすべってしまっているところだよ!」
「・・・」
「おい!黙ってんじゃねぇぞ!」
しびれを切らした1人の男が、ファルの腹に蹴りを入れた。
「ファル!!」
「・・・っ・・・・けほっ・・・ごほっ・・・」
「待て、やめろ。気を失ったら面倒だ。」
男は蹴った男を制してから、ファルの前に行くと、しゃがみこんでにやりと口角を上げた。
「お前、ファルって言うのか?顔に似合わず随分と可愛らしい名前じゃないか。」
「・・・かよ。」
「お前みたいなクズに人の名前のこと言えるかっつってんだよ!」
明らかに空気が変わった。
「お前こそそんなこと言えるのか?なぁ、ファル?強盗に入ったのはお前らだろう?」
ファルの肩が小刻みに震えだした。
「アハハハ、ハハハハハハハハハハハハハハ!!
お前は愚かな人間に会ったことがあるか?」
「なっ・・・何をいきなり?!」
「・・・今かよ・・・」
狂ったように笑い出した「変人」を前に男はどうすることもできないようだ。
「あるだろう?なぁ?愚かな人間ほど他人に「愚劣」というレッテルをはりたがるからなぁ!
自分が愚かだということも分からないクズが!!」
「なっ・・・貴様何を言っているんだ!」
「撃てよ。撃ちたいんだろ?本当は。撃っちまえよ!さぁ!早く!」
パン・・・!!
部屋に乾いた破裂音が響いた。
「う、うわぁぁぁ・・・!」
男の一人が情けない悲鳴を上げた。
ピチャ・・・ピチャ…ピチャ…
紅い液体を踏むたびに水音が立つ。
足を踏み出すたびにできる紅い足跡は、窓から入る月明かりに照らされて妖しく光っていた。
前のやつと繋がってる??分かんなくなった^p^