厳しい冬山から帰ってすぐ今度は北海道へと出かける。登山の疲労がまだ
残っているがこちらはもともと予定に入っていたのでキャンセルしたくない。
荷物も全然片付いていないが取り急ぎその辺のモノを詰めて出発準備完了、
の気分。
今回の目的は子供たちとのスキー交流。たまたま先日の競技会を見てくれ
た道内の養護施設の先生から子供たちとの交流、スキー指導をお願いした
いと依頼がありこれを受けることになったのだ。

１８日朝、５時半、自宅を出発。途中渋滞もなくスムーズに空港第二ターミナ
ルへ到着した。離陸は８時、まだたっぷり時間はあるので荷物を預け階上の
カフェで朝食をとる。

飛行機は快適だった。ハイシーズンを過ぎた千歳空港行きは乗客も余裕が
あり充分くつろげる。ヘッドフォンを耳にしていたらいつの間にか眠ってしまっ
た。飛行機は乗り過ごさないからいい。

千歳からはバスでの移動、目的地のニセコへは２時間半を要した。昼食は空
港で買った焼そばパンで済ます。せっかくの北海道だが味気ない。それにし
ても雪が少ない。いずれ「雪見たことある？」っていう時代が来てしまうのだろ
うか。
荷物を持って指定のレストハウスに到着、先生方と簡単な挨拶を交わし子供
たちの待つゲレンデへ。
簡単な自己紹介のあと先生から子供たちの紹介をしてもらった。男の子３
人、女の子４人の合計７人。下は小１から上は６年生。ほとんどがスキーは
初めてであった。
この日はとりあえずスキーを付けて感触だけ確かめてもらったらあとはカマ
クラづくりに取り掛かる。夕方札幌に移動するバスではどの子もぐっすりであ
った。
夕飯は子供たちと一緒に食堂でカレー。小２の大(ﾀﾞｲ)くんという男の子が肉
をくれるくれる。遊んでくれたご褒美なんだそうだ。(笑)

生徒を部屋に返した後、先生と外へ飲みに出る。聞けば自分と年が近くすっ
かりこどもの頃の番組で盛り上がった。ひとしきりバカ話のあと、ほかにもい
い選手がいるのになぜ自分を招待してくれたのか聞いてみた。「あの空気の
中ひとりだけ楽しそうに滑ってたからですよ。」見られているものである。苦笑。
また、先生が子どもたちのことを話してくれた。施設といっても両親がいない
子は数少なくて充分な育児ができなくて入ってくる子が多く特に最近は親か
ら虐待を受けて入ってくる子が増えているということらしい。今回の７人のうち
ひとりは両親がいないが他の子は訳あって親と離れて暮らしているそうだ。
子どもはいつも親の都合で振り回される。今日久しぶりに子どもたちの楽しそ
うな顔を見たと喜んでいた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・・　（つづく）