前漢(西漢)・皇帝
- カテゴリ:日記
- 2011/01/22 09:46:10
「皇帝」の号は、秦の始皇帝に始まり、清の宣統帝まで続く。
その間、皇帝が存在しなかった時代はなく、全ての権威と名目上の権力は
皇帝に帰属するものと考えられていた。
『史記』「秦始皇本紀」では、「皇帝」とは始皇帝が自らを三皇五帝にならぶほど尊い存在になぞらえて造語したものとあり、それまでの最高位であった王の上に立つ地位である。
このことは郡国制において王を皇帝が支配するということの論理的正当性を与えた。
一方漢代において、天子の称号も使われている。
天子はそのまま天帝の子を示す言葉であり、皇帝からすれば一段下の言葉だ。
王の称号を使っていた周代においても天子の語は使われていた。
その間の差について説明する『孝経緯』には「上に接しては天子と称して、爵をもって天に事え、下に接しては帝王と称して、以って臣下に号令す」とある。
つまり天に対しては天子であり、民衆・臣下に対しては皇帝である。
この使い分けは、国内の臣下に対してと国外の外藩に対しての称号として現れる。
国内の臣下(内臣)に対しての文書には「皇帝の玉璽」が押され、
国外の外藩(外臣)に対する文書には「天子の玉璽」を押している。