Nicotto Town



階段を下りて


たまに行く場所の道すがらに階段がある。
下りの階段。
広い車道に挟まれたビルの間にある。

その下に
下界、と言った方が似あう景色がある。
小さな古い木造の二階建ての家家が軒を連ねている
細い道に繋がっている。

所々が茶色く錆びた手すりを握り、とんとん下って行こうか。
いつかきっと。
そう思いながらいつも通り過ぎている。

あの時、あの人と、くだらないお喋りの果てに行きつく
本当の話を聞きたくて
お茶を飲むより、歩きませんかと言った。

前に進めば、言葉も後ろに戻ったりはしない。

スキップしたり、追いかけっこ
下手な鼻歌、得意な顔いっぱいの笑い
転げるように降りながら
内ポケットの中味をみんな
見せてあげるつもりだったのに
珈琲が好きと答えた。

たぶん、その違いが終わりだった。

あの長屋界隈を笑いながら歩いていたら
何処に行きついたのだろうか。
立ち止まって思い出す。

こちらは蔭なのに
明るい日差しが射している階段の下

たぶん、降りていても同じだったんだろう。
今度は階段の上が懐かしい。
仕方ないね。

首をかしげてしばらく見つめたあと
時計を見て、ああ…時間
いつもの場所に。

でも、いつかきっと
階段をとんとん下ってみよう。
何もかもの思い出を舞いあがらせつつ
少し含み笑いで。

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2011/02/04 15:12
招き猫さん★コメントありがとうございます。

その階段の上で起こったことが
降りることによって失われるというか、ちゃんとした場所に
収まって終わってしまうことになるんでしょうね。
それはそれで悪いことではないのですが
感傷の一歩手前の想いを
手放したくないのかもしれません。

招きさんの引き出しも、開ける気はなくても
何かの拍子のトンと開くこともあるのでは。。
そうなると
慌てて閉じてしまうか、
中身を出してちゃんと整理して閉めるか
ここに、悩みが登場しちゃう。
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2011/02/04 15:07
ハレルヤさん★コメントありがとうございます。

そうなのよね。
わたし街、町歩き大好きなんです。
とめどなくブラブラ歩く。
身近な街ほど知らない通りがあって気になりますね。
ワンコが生きていた頃は
本当にあてどなくブラブラ散歩してました。
楽しかったなぁww

また車を降りて、違う道を見つけることもあるし
今歩いている道が気にいっているならば
どんどん歩いて行きましょう^^
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2011/02/04 15:04
南の島のヒロさん★コメントありがとうございます。

何でしょうね。。
場所は大阪の古い商店街が残る街なんです。
大阪ってビルがひしめき合っているその隙間に
古い家並みが隠れるように残っている、
ヒロさんはよくおわかりだと思うんですが^^

どこかしらその階段は異次元へと向かう気がする。
いえ、してたんですね。
たとえ降りて行っても何もないかもしれない。
そうなると異次元へと向かう道も閉ざされてしまう
寂しさがある、
そのせいで降りて行けないのかもしれません。
やっぱり目的があってその道を急いでいるので
時間がない^^;のが本当なんですけど。。
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2011/02/04 14:59
アッシュさん★コメントありがとうございます。

そうなんですね。
あらゆるシーンで、恋ばかりではなく、人間関係全般だったり
仕事であったりもするんです。
それですれ違ってしまうのは、やっぱり「縁」というものが
作用しているのかもしれませんね。
すべて結果オーライw
悪いようにはなっていないのだけれど。。
気の持ちようってことでしょうねww
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2011/02/04 14:56
歌穂さん★コメントありがとございます。

人は選ばなかった道を、ある時期懐かしく思い出すものなんでしょうね。
やっぱりその場所が持つ土地の個人的記憶効果でしょうね。
本当はトントンと降りて行くと、
昔が迫ってくるのではなく、新しい今を想うんでしょうね。
降りないところがポイントなんでしょうね。
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2011/02/04 02:16
いつかきっと・・・
そう想いながら、降りないんだろうなぁ、黒猫手毬さん。。。

私の中の、2度と開ける事の無い引き出しみたいなもんかなぁ?
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2011/02/03 21:14
小さな階段やどこへ続くかわからない小道、裏道って
どうしてあんなに魅力的なのでしょうね。

いつも、いってみたいとおもいながら
車で通り過ぎたり。
きっと通ることのない小道がずっと後ろにすっとんでいっているようで。

だけど今歩いている道だって悪くはないよね。
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2011/02/03 11:11
こんにちわ。

 ポエムですなぁ。 心に沁み込んで来ますがな。
 階段の下の町並みの向こうに広くて大きい海が見えるのでは?
 
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2011/02/02 14:48
そういうシーンって、人生のいたるところにありそうですね。
ある意味、『岐路』的な。
あの時、あの場所で、あれを・・・してたら・・・
いっぱいありますww
覆水盆に帰らず。
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2011/02/02 13:58
どちらを選択しても、何かしらの想いは残ると思います。
選んだ道に間違いはなかったと思いましょう。
先に進むために^^




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