ダークバスター 17
- カテゴリ:自作小説
- 2011/03/06 19:53:17
「おい、早く起きろ」
恐ろしい悪魔が、私の耳元で囁いた。
首筋に当たる恐ろしく大きな刃が異様な冷たさを帯びて私の神経を削ってゆく―――
「ひぁぁあああ!?おっお、おおおおっき起きます!起きるです!!」
ぞわわわわ、と背筋を逆撫でされる悪寒を十倍にしたものが駆け抜けた。
冷や汗が吹きだし涙が滲む。
「よし」
ヴァシカ様のお優しい言葉が聴こえた。
刃が外される。
私は旋風のようにベッドから跳ね起き吟遊詩人のローブに着替えた。
サボの紐を止めハープを腰のオルダーに下げ終え私が丁度準備を終えた瞬間、
ドタァァアンッッッ
「…!」
「…起きま…す…」
痛さが滲んだルシファーの声。
「いいだろう」
のそりとルシファーが腰をさすりながら床から這い起きる。
私と目が合った童顔は、一瞬顔を赤らめてつい、とそっぽを向いた。
そのまま白魔導師のローブを頭からすぽっと被り杖で床を突いた。
本人にとっては何気ない仕草だろうが、とても微笑ましくて可愛い。
と、私がつい気を緩めて和んでいると、
「今度からこれで起こすから」
もう寝坊するまい。
本能的に背筋がビシッと伸びた。
ヴァシカは大剣を鞘にパチン、と収め凛々しく命令を下した。
「さ、行くよ」
水晶の洞窟は村を出て星の蒼原から東の方向へ二十分ほど歩いた“輝きの崖”にある。
“星の蒼原の東の外れには崖があり、夜になるとその崖は紫色に輝く”のだそうだ。
ゲームを現実世界でプレイしていた頃村人に訊いた話だ。
なんだかこのことを考えると無性に悲しくなる。
涙が出る訳ではないのだけれど。
「…?」
その時だった。
最初は気のせいだと思ってたのに。
…何故だろう、ルシファーとヴァシカの背中が遠く感じる。
仲良く、楽しそうに会話する二人の姿が霞んで見えた。
同じ歩調で歩いているはずなのに、どんどん遠ざかって……?
「…ッ?…待ってです…ルシファー、ヴァシカ…?」
私は小走りで彼らを追いかけた。
なのに、どうしても追いつけない。
「待って…!置いていかないでです…――ッ!」
流石に焦り、私は現実世界で結構自信があった全力疾走で彼らを追いかけ…ようとした。
――脚が、言うことを利かない。
「――ッ?!」
つんのめるように転び、かろうじで受身を取った背中が悲鳴上げた。
岩だらけの地面で派手に擦り剥いたようだ。
慌てて立ち上がろうとするが、脚が、…立てない。
まるで自分の物ではないような錯覚。
目頭が熱くなる。
嫌な汗が全身から吹きだした。
涙が溢れて止まらない。
手を伸ばし、彼らの姿を求める。
「…待って…おねが…い………!――ぅ…く…ッ?!」
胸が苦しい。
締め付けられるような激痛に息が詰まる。
自分自身を抱きしめるように必死に痛みを押さえつけようとする。
「…ぅぐ…ぁ゛ぁ…ッッ――!!」
視界に、人工的なモザイクが混じり始める。
パズルピースが一つずつ零れ、消え、二人が視えなくなってゆく…―――
「――るし…ふぁ…………し…か…―――――」
そして倒れこむようにひれ伏した瞬間、意識が、消えた。
こんばんは。
さてさて、本日はあり得ない展開にハラハラでしたね。((気のせい←
…ではッ←
ギリアァァァアアアァァァアアアァァァアアアァァァ!
乗ってみた。くねくね~~
どうしたのおおおお;←
最初に女王様キャラのヴァシカ萌えるなーとか思ってたらプギャー!(←
どうしたッ!?
ちょwどしたw
何故かいきなりシリアス!?