ある日 とつぜん 5
- カテゴリ:自作小説
- 2011/03/10 19:05:22
はっ
私は目を開いた。 どうやら、寝転んだまま寝てしまったようだ。
「ふわわ~ よく寝た~」
ぐきゅるるる
いつの間にか空っぽになっっていたおなかがなった。
「おかーさーん、晩ご飯・・・・・・」
(そうだ おかあさんすずめにしちゃったんだった)
じゃあ・・・・・・・・
「おかあさん、ここに戻って来て、晩ご飯作って!」
しばらくたって、外が少し薄暗くなってきたが、かえってくる気配はなかった。
「おかあさん、戻ってきて!!!」
叫んでみたが、結果は同じだった。
(うそ・・・・・・・魔法が使えなくなってる・・・・・・・)
私は振り返って、机の上にある消しゴムを見た。
(動け!動け! お願いだから動いて!!!)
ひたすら念じたが、消しゴムが動くことはなく、静かに時間がたっていくだけだった。
額に冷たい汗が流れてきた。
もう、私には魔法が使えないんだ。
どうしよう、何の取り柄もない、ただの中一なのに。
魔法が少し使えたぐらいでうつつをぬかして、大切な人までなくしちゃって。
目の前が真っ暗になった。