ダライラマ14世、亡命政府引退を提案
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- 2011/03/11 18:12:55
(CNN) チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世は10日、チベット亡命政府の政治的指導者の地位から退く考えを明らかにした。自らの公式サイトで表明したもので、今月14日から始まる亡命政府の議会に提案するとしている。
14 世は声明で、チベット人は自由な選挙をへて、権限が引き継がれるべき新たな指導者を必要としているし、「これを実行すべき時機が来た」と述べた。また、引 退の意思を示してからチベット内外から政治的指導力の維持を求める真摯(しんし)な要請を再三受けたとしながらも、権限委譲は責任を減らしたいとの思いと は無関係で長期的にチベット人の利益を考慮してのものだと強調した。
一方、中国外務省の報道官は14世を「宗教のいかさま師」と非難、過去にも多数回引退を口にしてきたとし、国際社会を欺く策術の1つに過ぎないと述べた。
14世の引退が認められれば、選挙で選ばれた指導者に14世の権限が委譲されることになる。亡命政府当局者は、議会で引退を承認するかどうか決めると述べた。
14 世は昨年10月にCNNとの会見に応じ、適切な時期に引退したいとの考えを表明していた。また、昨年実施した北米訪問での講演では、「私は1人の人間であ る。引退する権利がある」とも強調、退く時期には詳しく触れなかったが、「遅かれ早かれ去らねばならない。私は75歳を超えている」と語っていた。
ダライ・ラマ14世は1959年、中国人民解放軍の進駐に反発する僧侶の抵抗運動がチベット全土に拡大したチベット動乱の最中にインドに亡命し、北部ダラムサラにチベット亡命政府を樹立した。中国はこれ以降、国家分裂主義者として非難し続けている。
http://www.cnn.co.jp/world/30002094.html
ダライラマは世襲制ではなく、ダライラマ本人が死亡すると他の僧達が会議を開いて、
次に転生するダライラマが何処に生まれるのかを予言して探し、適合する数人の
子供を候補者として、その子供の中から前世の記憶等を聞き出して、ダライラマか
どうかを確認し、継承するとチベット仏教の最高指導者です。
その為本人が引退したいと表明しても、僧たちによる会議が開かれて承認されないと
引退が出来ません。
小さい頃からチベット仏教の英才教育を受ける事になるのですが、現在は中国が
中国式の教育を施していないチベット仏教の高僧を認めていないため、現在の
ダライラマ14世は海外で亡命政府を立ち上げていて、チベット自治区の統治は、
チベット仏教第二位の地位を持つパンチェンラマによって統治されています。
パンチェンラマ11世は現在二人居て、10世が死んだ後、候補者を上げた際、
ダライラマ14世が選んだパンチェンラマ11世ゲンドゥン・チューキ・ニマ君と、
中華人民共和国国務院と言うチベット仏教とは余り関係ない人の集まりの方が選んだ、
パンチェンラマ11世ギェンツェン・ノルブ君とが居るのですが、
ダライラマ派の僧侶は、ダライラマ14世が正式にパンチェンラマ11世を発表したあと
厳重に処罰され、またダライラマが選んだパンチェンラマ11世ゲンドゥン・チューキ・ニマ君
は1995年5月14日に両親とともに行方不明となり、その後中国政府が連行した事を
認め、現在は中国政府の監視下にあるといわれています。