ゆっくりとした小さな揺れからだんだん激しい揺れに。
足元はぐらつくものの移動中の廊下から事務所に引き返してヘルメットをとる。
長い揺れに引き出しが飛び出し机上の文書類が雪崩をおこす。
自動緊急放送「地震です、机の下にもぐってください」、、、遅いって。
揺れが治まると「設備点検をしてください」の有人放送。
『避難が先だろ？』納得できないのでにフロアにいたメンバーは避難させ各実験室
に点検に走る。
確かに化学メーカー、しかも区内の住宅地、一歩間違えば大惨事になる。
加熱に使うオイルや水のこぼれ、ガラス器具類に多少の破損はあるものの薬品類
は問題ナシ、部屋のブレーカーを落として階上７階の試験室に走る。
試験室ではしっかり固定してあるはずの重量装置が動いて電源コードを引っ張っる。
ここもブレーカーをおとし部屋を出る。
と、２発めの大きな揺れ！動けん。。。。どこかからミシミシとした不気味な音とガラス
の割れる音。
『こいつはやばいな。。。』
一瞬覚悟。

がなんとか建物がもっているうちに揺れが治まってきたので１階まで猛ダッシュ。
避難場所の広場に到着し研究所の責任者に状況の報告。
その場で30分くらい全員待機して所内に戻る。
そこからは大掃除。もう仕事する雰囲気ではないが壊れたもの汚れたものの片づけ。
終わった者から順次帰宅となった。

しかし、地下鉄・ＪＲ・新幹線全電車が止まっている。とくにＪＲは早々に本日中の運転
再開をギブアップ。もちろんタクシーも捕まらない。
それでも自宅までの距離がおおむね20ｋｍくらいの者は歩くといって帰りだした。
自分はといえば自宅まで45km。ルート検索によれば歩くと１５時間。
たまには歩いてみるのもいーかなと思うものの
「余震の危険」「停電の危険」「（ｹｰﾀｲ役立たないし）連絡がつかなくなる」ことから
はやばやと帰宅難民を決めてコンビニに夕飯買いに。
大通りに出れば歩いてる歩いてる歩行帰宅の人々。びっくりするぐらいぞろぞろ
歩いている。
で、コンビニに入れば弁当はあるがおにぎりサンドイッチ類が全くない。
『ん？どういうこと？』外へ出て解決、みなさん歩きながら食べている。
そういうことか。

研究所には通常２００人弱の人間がいるが帰宅難民は約２０人。
新幹線で通っている人たちはあきらめてすでに酔っ払っている。
テレビがないのでインターネットで情報収集しながらおもいおもいに寝る準備。
ここで津波による大被害が発生していることを知る。
仙台方面には知人友人も多くなんとか無事を知りたい。しかし会社にいても
携帯も電話も通じない。

と、自分の自宅まで電車がなんとか開通したのを知る。しかし時間はすでに２３時
過ぎ。普通に考えれば途中までしか行けない。
せっかくだから駅に電話して終電がどうなるか確認。「今はまだ終電はわかりません！」
というなんだよそりゃという回答。　『迷ってる場合ではないな。』

もちろん電車はめちゃ混み。いや徒歩が多い分意外に少ないかも。
電車も徐行で３時間以上かかりましたが無事家に帰れました。