小さな春への前奏曲④
- カテゴリ:自作小説
- 2009/04/08 00:13:56
受験シーズンが近づき、3年生の先輩たちが引退する時期を迎えた。
3年生の引退パーティーの日、ちょうど卒業アルバムに載せる写真を撮るために、カメラマンが来た。
3年生だけで2,3枚撮った後、全員で撮ろうということになり、みんなで並んだ。
私は最前列のちょうど真ん中にあたった。すぐ後ろに前田君が来た。
1回目の撮影の時、誰かが髪の毛に触っているような気がした。
(ん?誰か髪触った?)
と思って振り返ろうとしたが
「ハイ撮りますよー。」
と言われ、振り返らないでカメラに向かってピースした。
2回目の撮影の時、今度は(ギュッ)と肩をつかまれた。ぎょっとして、手を見てわかった。つかんでいるのは前田君だ。
(なな、何やってんの?前田君?)
結局撮影が終わるまで、ずっと肩をつかまれていた。この時、心臓がものすごく(ドキドキ)していた。今までのなかでもとりわけ速く・・・。
撮影が終わった後、
「ねぇ、さっき後ろにミョ~な気配を感じたんだけど、気のせいかな?」
「おう、気のせいだろ。」
さらっと流されてしまった。肩をつかまれた感覚がまだ残っている。
これでわかった。好きかどうかまではわからないけど、私、前田君のことをなんとも思っていないといえば嘘になる。こういうのを、意識しているっていうのかな・・・。
それからも、何回か部活で会ったりあいさつをする度に、うれしいって思ったり、ドキドキしたり、胸がキュンとなったりした。
そんなこんなで、いつの間にか、前田君のことばっかり考えている自分がいるのがわかった。
間違いない。やっぱり私・・・前田君のことが好きなんだ。
いいなー。
ちょっと前がちょうど卒業写真の季節でしたね。
YUKIEさんは卒業アルバム買われましたか?
私は頼んだのですが、いつくるのか忘れてしまいました(^ ^;