原子炉は止まらない
- カテゴリ:ニュース
- 2011/03/17 13:15:12
電気ストーブは スイッチを切れば止まります
灯油ストーブ ガスストーブ は 燃料の供給が止まれば消える
しかし 原子炉は 完全停止ということはありません。
燃料棒の中に含まれる ウラン235という核分裂をする物質は
常に 核分裂をする性質を持っています。
ひとつのウラン原子が核分裂をすると
ふたつの中性子と エネルギーを放出します。
そのエネルギーを利用するのが 原子炉です。
飛び出した ふたつの中性子が 次のウラン原子にぶつかると
同じことが起きます。
この飛び出す中性子はふたつて゛ 入ってくるのが ひとつだから
全部同じことを繰り返していくと 倍 倍ゲームで
拡大していくように見えます
実際には 原子と原子のあいだは ミクロの目で見ると
とても広い間隙なので 簡単には 次の原子にぶつからない
外に飛び出していきます。
でも ウラン235が大量に ひとかたまりになっていると
外へ飛び出す前に 次の原子にぶつかることができるようになる
その連鎖反応が 外へ飛び出すものより多くなると
連鎖が拡大していきます。
その境界を 臨界といいます。
ウラン235をできるだけ 100%に近くまで精製したものは
約25kgで臨界に達します
これは コントロールできない 臨界で 核爆発になります。
原子炉で使うには ウラン235を 3~5%ほど含むものを
細長い棒状の形に加工したものを使います。
これを わかりやすいものに例えると
剣山かな
生け花に使う剣山をもっと縦に長くしたもの
その針のところが 燃料棒です
こうして 一本 一本を 間隔をあけて配列して
その隙間に 別の種類の棒を出し入れできるように配置します
その別の棒は 制御棒と呼ばれるものです。
これは 中性子を吸収する性質をもっていて
そうして中性子を吸収しても エネルギーを発生しないものです。
この形にして 容器の中に閉じ込めたものが 原子炉です
すべて水の中に浸るようになっています
この水が 核分裂で発生するエネルギーにより高温になって
高温 高圧の水蒸気を生成して タービンをまわす
タービンの回転が 発電機に伝達されて 発電する
簡単に説明すると こんなかんじ
運転をはじめるときは 燃料棒のあいだにある
制御棒を抜くことにより 臨界に達して エネルギーが発生する
停止するときは 制御棒を挿し込んでいくことにより
連鎖反応を抑制する
停止ではなく 抑制なんですね
燃料棒どうしのあいだを制御棒でさえぎることにより
燃料棒どうしのあいだの連鎖はなくなっても
それぞれの燃料棒の中では 反応は続いているからです。
大地震が起きたときなど 緊急停止システムが作動する
ということになっているはずなのですが
今回は この 緊急停止ができなかったことについての
説明がありませんね
もっと震源に近い 女川原発は 停止できている
緊急停止システムとは 制御棒を挿し込むだけ
あとは水温を下げる
簡単なことのはずなのに なぜできなかったのかな
家庭電器などでも 古いものはとてもシンプル
故障しらずです
もし故障しても 素人でも簡単に修理できる
あまりにも複雑怪奇なものにしてしまつたのかな
それから 気になるところは
一つの原子炉を作るのに 一つの会社で作っているわけじゃない
たくさんの会社でつくったものを 寄せ集めて作られている
だから部品の製造管理基準がちがう
たとえば 0.5mmを切り上げるか 切り捨てるか
そういうところが共通ではない
という情報もある
そういうところが 緊急なときにひっかかるのかもしれない
そして障害になって うまく働かないということに
まだまだ 都合の悪いことは なにも表に出していませんね
原子力保安院もそれを認めたらしいけど、その責任はどうなるんでしょうかねぇ~。
テレビとかでは一切聞かないけど、、、
おなじ状況下で、新しい原発の第二原発は、爆発してないし。
どうもありがとう
TV番組の解説よりずっと分かりやすく、「なるほど!」です。