これがお約束のものです。
　……神と魂を繋ぐ、道しるべですね？
　……ああ、人類補完の扉を開く、ネブカドネザルの鍵だ。

　　　――エヴァンゲリヲン　「破」　より、加持リョウジと碇ゲンドウ

ご無沙汰です。
こんな時期だからこその「お花見」の幹事を任され
有頂天のＴＡＮＡ☆ＢＥです。

タイトル通りバビロンの捕囚をもじるなら、旧約聖書の
ネヘミヤ記の一節でも語ればいいのですが、
生憎、詳しくないし、オタクを公言してるなら、ＥＶＡでしょ！
ということで入れてみました。


さて、３月１２日から避難指示が出された地区の避難が
始まり、大混乱が生じ始めました。
特に、田村市は船引地区（田村市中央行政区）を筆頭に
大熊町の避難民を次々受け入れ始めたからだ。

原発からまっすぐ田村市に通じる国道288号線界隈が
異様な雰囲気に包まれる。パトカー、消防車両などに先導された。
数十台のバスが、1週間程度だったか、ひっきりなしに
往復を始める。

のど自慢をするはずだった市民体育館はあっという間に
避難民で埋め尽くされたしまった。
いや、１１５００人いるのだ、到底入りきらず。
閉校になった校舎、使っていない宿泊施設、ホームステイを
募るなどして、田村市は対応した。

2～3週間の後、会津に役場ごと移転し、４月の第一週の間に
町民は再移動していった。

彼らはまさにバビロンに捕囚されたユダヤ人よろしく、流浪の
民となってしまった。

しかし受け入れたはずの田村市の中には実は複雑な心境だった
人もいた。

実は、大熊町は原子力発電所の交付金でかなり住みやすい町
だった。

ほかに楢葉、富岡、浪江、双葉、この地区は東電のおかげで
ただの農道を２車線にしたり、
（そんな道路をほかの市町村は、「原発道路」なんて影で揶揄した）
原発関係の雇用が多くあったりした。原発で持っていた町なのだ。

それに引き換え、当田村市は外の市町村と同じく赤字にあえぐ
極貧の町。
特に名所もなく、特産物もないのだ。
今まで原発からは何の恩威も与えられず、
今回、放射能事故のあおりをまともに食ってしまった。

仕事が休みなのでボランティアに行った人の話。

「やっぱり可哀そうだけど、ちょっといらっとくるな。」
かなり複雑な心境だったのは言うまでもない。

とはいえ、彼らが帰れるかどうかはわからない。
もしかしたら、バビロンの捕囚よろしく７０年間ぐらい帰れないかも
しれない。

原発で始まった町は、原発で終わる皮肉なのだろうか？

今の政府が、もしユダヤ人を解放した、ペルシアの王のような
名統治を見せるなら。きっと支持率は上がるだろうが、
きっと無理だろう。

彼らのキュロス王はいつ現れるのか？

誰も分らない。