一生のお願い、最後のお願い
- カテゴリ:小説/詩
- 2011/04/23 22:37:47
今、心を閉じよう
鍵を誰かにわたしておこう
私がいいよって言うまで
待っててくれる人がいいな
いつかきっと開くから
それを信じて失くさないで
私を忘れないでいてくれる人
その人に心の鍵をかずけよう
あと3つだけ
心の鍵のスペアを作ろう
もしその人が私を忘れちゃったとき
閉じっぱなしじゃだめだから
他の誰かにわたしておこう
「たのんだよ」って
心からの最後の笑顔を残して
鍵をわたそう
部屋にはいろう
準備はできた
そろそろいいかな
大丈夫
誰とも話さないわけじゃない
ただ扉ごしに素顔をださずに
話すだけ
「それじゃぁたのんだよ。
扉は閉める。鍵をかけて。」
外からしかかけられないから
外からしかあけられないから
一生のお願い
最後のお願い
たのんだよ
いつの間にか外に出ている
自分ですか…
そうだったらきっと
一人でもいきていけそうですねっ
鍵師にはつくれないかぎってやつですねっ
それが分かっていれば
扉はいつか 必ず開く
開けるのは
いつの間にか外に出ている
自分自身かもしれない
ほんの少し救われる
ただの鍵師にはあけられない鍵