【あらすじ】娘の理恵の受精卵を移植したみどりは、理恵が勤務医として通っているマリアクリニックに、妊娠したかどうか検査しにいく。受精卵は見事に着床、みどりは妊娠したが、マリアクリニックで働いているベテラン助産師のみすずは、高齢のみどりの妊娠に不自然さを感じる。みどりは出産のため、介護福祉士の仕事も一旦やめ、趣味で入っていた句会も行かなくなった。しかし句会で一緒だった友人が誘いにやってきたため、再び句会に行くことに。句会の主催者である丸山は、喜んでみどりに近付こうとする。

【感想】初回と同じく、諸手を挙げて面白かった！というほどの内容でもないのに、何故か４５分があっという間に終わってしまう。今時４０代での出産は当たり前になってしまい、５０代でも出産という話もたまにきくようになり、民放では５０代の自然出産をテーマにした連ドラが放映されている。しかしやはり世間ではもうおばあちゃんの年である５０代で出産することは、まだまだ異端の目で見られることのようである。そしてみどりは年齢的なことだけでなく、代理出産という日本ではまだ認められていない禁忌に挑戦している。正直私は代理出産というシステムはあまり好きではない。というのも、代理出産は他人の臓器を使うという意味では、臓器移植とほぼ同意義だと思うからだ。臓器移植と違うのは、出産した後も何もなければ子宮が体に残っているところで、それだけ考えれば臓器移植よりも倫理的に許されるかもしれない。しかし妊娠することで母体に与える影響、特に精神的なものは、普通の臓器移植には見られない、より心の規範である倫理を問うべきものではないかと思う。母体への影響のみならず、金銭の授受の問題、障害児が生まれた時のリスクなど、代理出産の問題は山積しており、それが解決したという話はまだ聞かない。ただ、このドラマのケースのように、依頼者と代理出産する側が親密な関係で、金銭の授受や子供の引取りの拒否などの問題がまったくない場合、本人たちにどのようなリスクがどれくらいの確率であるのかわかっているのなら、問題はないような気がするのだ。だからおそらく、マリアクリニックのマリア院長は理恵の冒険を認めたのだと思う。マリアに認められた理恵は、どれだけ心強かっただろう。そしてあの告発文は一体誰の手によるものなのか。多分みすずじゃないかと思うんだけど、海堂尊って告発文書好きだよなぁｗ

【あらすじ】みどりがマリアクリニックに診察してもらいに行くと、ユミがお腹の子の父親を連れてきたので子供をおろしてくれと言って理恵と揉めていた。しかしその男性は本当の父親ではなく、それを知ったみどりは、ユミに本当は産みたいんでしょうと諭す。一方仕事が忙しく産むことをためらっていた妊婦の貴子は流産して落ち込んでしまう。そんなマニア･クリニックに、理恵が代理出産を手がけているという告発文の真偽を確かめに、清川が乗り込んでくる。理恵は代理出産の件を伏せたまま、清川にみどりの帝王切開の手術を頼むが、清川はその前にみどりの診察をしたいと言ってきた。

【感想】うおぉ、ここにきて怒涛の展開！ まさか理恵と夫が１度も会わずに離婚してしまうとはｗ まぁ、殿方にありがちな父親の自覚がなかなかできないタイプの人だなぁとは思ってたんですよね。有体に言えば薄情なヤツだと。しかも役者がラーメンズの片桐だしｗ 彼も最近はがんばってますが、ちょっと国仲とは不釣合いですよね。なんせモジャットだし。最後の急展開を除いても、今回は面白かったです。アッキーナのヤンキーぽい演技はすごい似合ってて、この子女優としてもやってけるんじゃないかと思ったし、丸山の微妙な男心の推移も実によかった。丸山は、今までずっとジャーナリストとして私生活を犠牲にしてきたような男なので、普通の男性に輪をかけて理屈っぽいところがあるのに、こと恋愛については理屈では片付けられない上、みどりと出会っていきなり強烈な母性愛を見せ付けられ、ジャーナリストではなく１人の男性として接する女性のパワーに負けちゃったというか、まぁ結局は理屈より愛が勝っていたというだけの話なんですがｗ その戸惑いとか葛藤とか照れくささを見事に表現してました。そして、みどりが丸山とともに清川と理恵の診察を受けるシーン、笑いっぱなしでした。みどりの度胸、理恵の「お母さんに恋人が!?」という驚き、清川の「こいつ誰だよ」という驚きを抑えながらも真相を探ろうとするしたたかさ、丸山のついみどりに加担してしまう男心の、四者四様の思いが交錯した、今回の一番の見所でしたね。医療ミステリーだけだと思ってたら、海堂なかなかやるな。今回でこのドラマの評価がかなり上がりました。次回からの展開が楽しみです。早く赤ちゃん産まれないかな～((o(´∀｀)o))ﾜｸﾜｸ