そこにはバラバラに切断された遺体があった。












僕「なんかアカンもん見た気がする…」



優「あわわわわわわ…」


妹「…」



僕「どした？」



妹「…ｸﾞｽｯ」


優「沙希ちゃん泣いてるの？」


妹「な、泣いてなんかないし！あくびが出ただけだし」


僕「だけどなんでこんな所にこんな物が…」



優「動き出しそうで怖い…」


僕「いや優ちゃん変なこと言うなよ…そんな訳ないだろ」



ﾋﾟｸｯ



妹「へ！？」


僕「え、どした？」


妹「いや、今これ動いた様な…」


優「き、気のせい気のせい…」


ﾋﾟｸﾋﾟｸ…


優「え…」


僕「あ…ああぁぁ…」



ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯﾀ



妹「あああああああああああああ！！！」



僕「うわあああああああああああああ」


優「嫌あああああああああああ」





そこで俺達は急いで走った。

途中で色々奇妙な物を見たけどそんなの気にする事も出来なかった。




僕「やっと出れた…」


妹&優「はぁ…はぁ…」


もう奴が追ってくることは無かった。



今思えばそれは恐怖が起こした、集団幻覚だったのかも知れない。

しかしあの時は本当に死ぬかと思ったのは確かだ。






そこで近所の和尚さんにその場所へ行ってもらった。


以下「和」



翌日




僕「どうだったんかな？」


妹「わかんない、あと昨日眠れた？」


僕「眠れる訳ないよ」

妹「私は眠れたよ！！」


僕「で、たっぷり眠れたんだ？」


妹「もう、どっぷり！！」


僕「じゃあその目の隈は何かな」



妹「あ、え？あぁあれだよ！何？アイシャドー？あれあれ！！」


僕「眼の下にアイシャドーねぇ…」


僕「で、いつやったの？」



妹「朝起きてすぐ！」


僕「えー僕の方が起きるの早かったけどなぁー」


妹「…あ、優ちゃん来たよ」


優「おまたせー」


そこには凄くアイシャドーな優ちゃんがいた。


優「昨日眠れなかった…」

僕「だよねー」


妹「まったく優ちゃんは怖がりなんだから！」


優「沙希ちゃんもねー…」


妹「うっ」


僕「そろそろ神社行こう」


二人「うん」






神社にて




和「おっ来た来た」



僕「どうでしたー？」



和「いやそれが…」



どうも和尚さんの様子が変だ



和「あそこは呪われた場所だった…」


三人「！！」


優「ど、どういう事ですか…？」



和「あそこは昔起きた無差別ﾊﾞﾗﾊﾞﾗ連続殺人事件の現場だったんだ…」






妹「そんな…」




和「犯人も証拠もなにも分からなかった為ニュースにもならなかった事件…」



和「ワシはそれをなにかの祟りなんじゃないかと…」




優「祟りって…まさか…そんな事本当に…」



僕「と、いうと？」



和「その被害者はなんらかの事件を起こしていてな…」



和「一人は幼女虐待、また一人は詐欺師、そして殺人鬼」





僕「見事に捕まっていない犯罪者ばかり…」



妹「でも祟りだっていう証拠は？被害者の仕返しというのも…」


和「それはワシも考えた…だが、全員に共通点があった…」



優「共通点…？」



和「全員の共通点、それは「殺され方」にあった」



僕「なんだって…」



和「全員顔に眼が無かったんだ…」



僕「うっ」


あの時俺は、顔なんか気にできなかったのだ。



優「あの死体、動いたんです…」



和「その様だね…」



和「確かに動いた…確かに…」



妹「なんか和尚さんの様子が変じゃない…？」



和「アッハッハッハ！！そうだよ！動いたよ！ハッハッハッハ！！」










そこには昨日までのあの優しい和尚さんの姿は何処にもなかった。




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく

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