本棚。15
- カテゴリ:小説/詩
- 2011/05/17 20:44:33
<小説>
「春期限定いちごタルト事件」
「夏期限定トロピカルパフェ事件」
「秋期限定栗きんとん事件 上下」
著者・米澤穂信 よねざわ ほのぶ 出版・東京創元社(創元推理文庫)
<マンガ>
「春期限定いちごタルト事件 前後」
著者・饅頭屋餡子 出版・スクウェア・エニックス
本格ミステリと青春ライトノベルのお話。
探偵とは日常生活において、目障りな、うっとうしい存在である。なので、
きつねの様に、小賢しく知恵がまわり、人前で答えを披露する 小鳩常悟朗と、
おおかみの様に、執念深く、自分に危害を加える者に忍び寄り、喉笛を噛み切る 小佐内ゆきは、
高校デビューを機会に、それぞれの本性を隠して、過剰なほど平穏普通になろうとします。
合言葉は“めざせ! 小市民”。二人は必要な時はお互いを盾に、言い訳にしようと誓い合った同志です。
けれど、人の性質を変えるのは難しく、
友達に相談されて、ついつい謎を解き、披露してしまったり、
今年限定のいちごタルトを盗んだ犯人の、詐欺を暴いたり、してしまいます。
古今東西、多くの作者、読者が薄々 感じていたことですが、
こうもはっきり「探偵は迷惑だ。」と言い切った作品は他に例を見ません。
本格ミステリに加えて、珍しい探偵なのが、魅力的だと思います。
ライトノベルの解説者が言うには、
・人が死なない事
・些細な事につまずいて悩んで、ちょっとづつ前に進んでいく、少年少女の青春
・登場人物の心情描写が抑え気味で、何かと想像をかき立てられる事
が魅力なのだとか。
さすが注目する点が違う、と感心してしまいました(笑)
コミックから入ったのですが、原作読んでも違和感が少なく、今でも好きです。
この作品が、ではなくて、米澤穂信さんが「探偵は迷惑だ。」をテーマにしているんですね。
まだ小市民シリーズしか読んでいないので、知りませんでした。
ブログ広場の漫画カテゴリでうろうろしていましたら、
大好きなタイトルを見つけてしまい、訪問してしまいました(*´∀`*)
米澤穂信さんが大好きで、小市民シリーズは全部原作で読みました。
日常の謎を取扱う探偵ものって面白いですよね。
同作家の古典部シリーズも大好きなのです。
この作家さんの主人公は、「探偵というものは時としてはた迷惑な存在である」と言っている気がして。
それがまた面白さに拍車をかけている気がします。
冬季限定が早く読みたくて仕方がないです。
表紙の雰囲気から、読まないつもりです。