Nicotto Town


およよ・れおポン


if I=15 then ...

お題が「オススメの本」で、カテゴリが「小説・詩」ですね。

僕が読む本というのは、どうも、ファンタジーではなく知識の分野なので、カテゴリ違いになってしまいます。
しかも、絶版だったり、一般に珍しかったりする。

たとえば、中公新書の「フロイスの日本覚書」などお薦めしたところで、日常生活には何の役にも立ちませんね。しかも絶版。
他にも、生物の本で「不思議なダンス」というのもずいぶん昔に読んだから、今は絶版だろう。
まったく別分野で、写真集「あいだゆあ」(リウ・ミセキ撮影)を薦めても論外である。
 { あ、これは女性が裸になっている写真集なので、良い子は検索しないように。
  { 注意をするかのような振りをして、良い子を悪い大人の世界へ引きずり込む悪巧みだな!
   ( 僕は悪い大人です。。。)
   }
 }   

ということで、「お薦め」というほど力をいれず、最近読んだ本のことを書くことにする。

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「笑わない数学者」(森博嗣/もりひろし/MORI Hiroshi)が最近読み終えた本だ。
ミステリィという分野らしい。
どうも僕は、こうした分類わけがうまく理解できない。

しかも、世間では森博嗣を「理系ミステリー」と呼ぶと、最近知ったばかりだ。

何が理系かというと、扱われる素材が実際の工学知識に基づいていて、とても現実的である。
森博嗣さんじたいが、工学博士であり、建築の知識が深いところから、本物の工学知識によって、架空の物語に力を与えている。

僕が、森博嗣を読む理由の半分は、この、本物の工学知識が基礎に書かれているからである。


すこし余談になるが、僕は40歳だ。
僕が子供のころのテレビドラマでミステリィや刑事ものといったら、火曜サスペンス劇場や天知茂の明智小五郎、特捜最前線に太陽にほえろあたりだろうか。
作家は松本清張が人気だった。

ところが、時代は転換点だった。
なにが転換したかというと、工業技術である。

防犯といえば、昔は人間による警備だったが、三十から二十数年前には、防犯カメラや赤外線センサーなどが普及し始めたのである。

テレビの中で刑事が力いっぱい走っている頃、現実の犯罪者がコンピュータを使うようになっていた。

そんな刑事ドラマが、コンピュータ犯罪や、理工系の犯罪者を描くには、無理があった。
まったく、工学を理解していない。
犯罪トリックに、工学を応用できない。
理工系犯罪者の思考を読めない。

僕は、中学生の頃からマイコンでベーシックを覚え始めていたので、それらのものは、滑稽だった。


話を本題へ戻そう。
こんな僕にとって、森博嗣は、僕の趣味を満足させて余りある、強力な作家だったのである。

、、、まあでも、生まれた頃から電気的な防犯装置が普及していた世代の人には、あまり関係のない話でしたかね。


それでね、実はね、僕が森博嗣を読む理由の、残りの半分が、実は、森博嗣の真価ではないかと、僕は思っている。


物語の中で、時々、登場人物が涙を流す。

この、あふれる涙が、とても美しい


これが、僕が森博嗣を愛読する理由である。

#日記広場:小説/詩





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