伝えたい言葉3‐2
- カテゴリ:自作小説
- 2011/06/03 01:51:50
「あの、もう一度おっしゃっていただけますか?」
昼。
いつもならコンビニでバイトをしているはずの綾奈が何故か夜のバイト先である滝野コーポレーションの10階、しかもこの滝野財閥会長の部屋にいるのだ。
いつものように諒一と叶斗、二人の弟を送り出しコンビニでバイトを始めて1時間ばかり経ったころだった。一人のいやに身なりのいい男性が本当にコンビニにやってきたのだ。
その時は綾奈も
(なんか、コンビニに来る客には見えないよね。)
などと、友達の千春と小声で話していた。しかも、何を買うんだろうとばれない様に伺ってさえいたのだ。
(だって、その時は他人事だったんだもの!!)
本当に何しに来たんだろう?って感じだったのだ。彼が名指しで綾奈を指名するまでは。
「『澤井綾奈さん』ですね?」
その言葉は疑問形ではあったが、彼女と確信している口ぶりだ。一瞬、「違います」と言ってやろうかと思った綾奈だが、左の胸元にはしっかりと『澤井』の名札をつけている。
「そうですが…。どういったご用件ですか?」
不審者を見るように相手を睨みつける綾奈に男は憮然としたまま名刺を差し出した。
「私は黒川といいます。」
名刺には『滝野コーポレーション秘書課主任 黒川 圭吾』と書かれていた。
「『滝野コーポレーション』?」
滝野コーポレーションといえば、綾奈が毎晩掃除に行っているオフィスビルだ。
(昨日、私何かやらかした?!)
すぐにそんなことが頭によぎり、一生懸命昨日の一連の仕事を思い出す。だが、いつもと違っていたのは毎晩残業をしていた龍野雅也に会わなかったことくらいだ。後はいつもと変わらない一日だったはずだ。
名刺を見て青ざめる綾奈に黒川の方は苦笑を返す。
「特にあなたが何かをやらかした、というわけではありません。」
「では一体…。」
「実は、少々あなたにお会いして話をしたいという人がいまして。宜しかったら今からお時間をいただけないかと思い伺った次第です。」
「今から、ですか?」
「えぇ。『今から』です。」
きっぱりと言いきる黒川に綾奈はつんと顔をそむける。
「ご覧のとおり、私は今、仕事中です。お急ぎの用事でないのなら時間が終わるまでお待ちいただけると嬉しいのですが。」
上手に出られて黙っていられる綾奈ではない。しかも自分に非がないうえにこれからもあまり関わり合いにならないだろう相手だ。その相手がどんな大企業のお偉いさんかは知らないが、こんな風にいきなり人の仕事中にやってきて自分の主張を通そうとするのは、綾奈の気質上我慢できない。
「さっ、澤井さんっっ。今日はもう上がってもいいから…。」
奥の倉庫で商品のチェックをしていた店長が話を聞きつけたのか、裏のバックヤードから急いで店に出てきた。
「しかし、店長っ。」
「本当にここは大丈夫だから。それに今日はちゃんと定時までいてくれたことにしておくから。―――すみませんっ、すぐに行かせますから。」
半ば急き立てられるようにして綾奈はコンビニを後にした。
そして黒川の案内で通されたのが、滝野コーポレーションのオフィスビル10階の会長室だ。

























もう名前だけ聞いてもわかるっていうくらいの大企業ですw
黒川さん…。
仕事はできますけど、一緒には働きたくないかなぁってちょっと思ってますw
コメントをありがとうございますw
そうとうな大企業なんですね、滝野コーポレーション;;
黒川さん・・・大企業の秘書らしいキャラ感丸出しですねw
会話が無表情というか・・・。こういう人だったら安心して仕事が任せられますけど、
逆に会話が続かなさそうですね><
綾奈の性格がすごく分かりやすいです!
「つんと顔をそむける」や「綾奈の気質上我慢できない」など、短文ではっきり描写できるなんて羨ましいです///
次も読ませていただきます☆
これからどうぞよろしくお願いします
サークルのURLから見ちゃいました。
よかったらうちのも読んでくださいねw
秘書課ですから(笑)
いつも感想をありがとうございますw
アドバイスを頂けると本当に嬉しいですw
ピシッとした髪型してるな。秘書課だもん。
どうぞよろしくお願いいたします。