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気になる新聞記事 長崎大病院の調査 考察


中国新聞によれば、3月に原発事故を受けて、救援活動などで現地入りした人や、現地から長崎県に避難している人たちを調べたところ、約4割が内部被ばくしていることが分かったと言うのです。
 
測定は長崎大学病院でホールボディカウンターを使って行われました。
検出されたのは、放射性ヨウ素131とセシウム137です。
「健康影響は考えなくていいレベル」とされていますが、実際はどうでしょうか。
 
この点を掘り下げてみたいと考えて、この「研究」に参加してコメントしている
「長崎大先導生命科学研究支援センター、松田尚樹教授」がどういう方なのか調べてみました。
 
すると分かったのは、福島県放射線健康リスク管理アドバイザーとなって、3月から福島に乗り込んだ、かの山下俊一長崎大学教授とペアになり、福島をはじめ、各地で講演されている方だと言う事が分かりました。
 
ちなみに山下教授は、4月6日の時点で、「この事故での放射性降下物の影響はほとんど皆無」だとか、「放出された放射能は、チェルノブイリ事故の100分の1から1000分の1」と語った先生です。「マスクは必要ない」と当初から強調されていた。
 
ところが4月12日の段階で、政府により、放射能はヨウ素換算で最大63万テラベクレルも放出され、チェルノブイリの1割を超えたことが明らかにされました。
さらに6月3日には、放射能汚染水がさらに72万テラベクレルもあることが分かった。
 
それだけでも山下教授の見通しが、専門家としてはいかに極端な過ちだったか、科学者として致命的な見込み違いを犯していたかが分かります。松田教授はそのことをどのようにお考えなのか聞いてみたいものです。
 
このような点を考えた時に、せっかく行われた検査が、「安全宣言」に利用されるだけで、本当に、被ばくされた方や、私たちにとっての利のある「今後の研究に生かせる」のか大きな疑問が残ります。
 
何よりも、「健康影響は考えなくていいレベル」とされることで、内部被ばくされた方が、健康被害はないと、治療や補償の対象から外されてしまう可能性があるのではないでしょうか。
 
また注意しておかなければならないのは、ホールボディカウンターで計測できるのは、基本的にガンマー線のみであり、ベータ線やアルファ線は、測ることができないという点です。
どちらも体内ではほとんど飛ばないためです。
 
とくにアルファ線は細胞内では何ミクロンという長さしか飛ばない。その分、周辺の細胞に甚大なダメージを与えるわけですが、外から計測器をあててもそこまで飛んでこないので、測りようがないのです。
 
そのためにアルファ線を出す物質を体内でつかまえるのは非常に難しいのです。
尿を採取して分析するとか、アルファー線が出て崩壊するときに微量に出るX線から推測するなどしますが、おおがかりな装置が必要で、なおかつ精度が低い。
 
ストロンチウムやプルトニウムなど、ガンマー線を多くは出さない核種による内部被ばくを把握するのは非常に難しい。むしろ被ばくした直後に、空気中の核種を捕まえた方がずっと、被ばくの量と質の目安はつきやすいとされています。
 

福島に救助で入った方と避難された方の4割が内部被ばく・・・。ぜひその場所も公開して欲しいものですが、このことは、より沢山の方が、ホールボディカウンターによる検査を必要としていることを物語っているように思えます。
 
同時に、尿検査なども必要とされているのではないでしょうか。それらによって、今のうちに被ばく実態を少しでもつかみ、記録しておくことが、被ばくされた方のこれからに役立つと思います。
 




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