Nicotto Town


TAKEのつぶやき


☆口入屋

口入屋というのは今でいう職業の紹介、周旋業です。つまり、奉公人などの世話を生業としていたわけです。この落語はその口入屋から始まるものです。

【スジ】
ある口入屋に店の遣いで丁稚が、女子衆を迎えにやってくる。(この丁稚と口入屋の番頭とのやり取りはなかなか笑えます)

そして、別嬪の女子衆が決まり店に戻ってくると、番頭から手代まで店中大騒ぎになる。

まずは番頭との会話であるが、うまく口説こうとする。ところが、女子衆はさっさと引き上げてしまったのにも気が付かず、番頭は一人浮かれている(笑えます)。

そして、店の御料さんとの面接であるが、ここがこの落語の一番の見せ所になる。
御料さんが、針仕事はどのくらいできるかと、質問すると、立て板に水の返答。
「単(ひとえ)もんが・・・、ひと通り。袷(あわせ)が・・・、ひと通り。綿入れ
ひと通り、羽織に袴、襦袢、十徳、被布(ひふ)コート、トンビにマント、手
甲、脚絆、足袋、そのほか針の掛かるもんでございましたら網貫(注)から雪
駄の裏皮、畳の表替え・・・」

次に御料さんが、三味線はできるかと、質問すると、またも立て板に水の返答。
「地唄が150~60と、江戸唄が200ほど、義太夫が30段ばかり、常磐津、清元、荻江、薗八、一中節、新内、よしこの騒ぎ唄、大津江、都々逸、とっちりとん、祭文、ちょんがり、あほだら経・・・」

あきれ返っている御料さんであるが、最後に手習いができるか、と質問するとこれも立て板に水の返答。
「書は御家流、仮名は菊川流でございます。盆画、盆石、香も少々はききわけます。お手前は裏千家、花は池坊、お作法は小笠原流、謡曲は観世流、剣術は一刀流、柔術は渋川流、槍は宝蔵院流、馬は大坪流、軍学は山鹿流、忍術は甲賀流、そのほか鉄砲の撃ち方、大砲の撃ち方、のろしの上げ方・・・」

一騒動終わると、番頭は早々と店を閉ろと丁稚たちにいう。そして、腹も空いていないのに食事をしろとか、早く布団を敷いて寝ろとか言いつける。つまり、番頭は夜這いをしようというのである。

そして、いよいよ忍び込もうとするのであるが、そこに二番番頭、三番番頭と同じことを考えて忍びこもうとしてやってくる。ところが、暗闇であるので思わぬアキシデントが起こってしまい3人とも身動きできない状態になったところに妙な物音に気づいた御料さんが現れる。

「番頭どんに茂久兵衛どん、あんたら膳棚担げていびきかいて、何をしてなはんねん?」

「へぇ、宿替えの夢、見とります」




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