レーナ・クルーン 蜜蜂の館
- カテゴリ:小説/詩
- 2011/06/15 01:27:00
主人公が 蜜蜂の館と名づけた建物は
心の病の診療所として機能していたのは 遠い昔
今は市が集会所としてさまざまな団体に貸し出している。
現実にありそうな団体ばかりでなく
なんだかよくわからない団体まで いろいろ
アマチュア劇団 爬虫類的同好会 地方自治学振興会
ダールグレン症候群協会
このへんは 現実にありそう
だけど
喉歌合唱団 脱字者 パラジスト 鼻声クラブ テレビを殺めよう会
貧乏志願者会 呼吸者 ドルフィーの母 移ろう現実クラブ
このへんは 意味不明
ドルフィーの母
自分の子供の世話をしてもいいような年頃の学生の女の子たちが
球体関節のデジタルドールに全身全霊で愛情と眼差しを注ぐ
ここまでは 日本の女の子たちと変わらないように見える。
だけど 彼女たちは 子供を持たず 一生を送る覚悟を持ち
その覚悟とは 突然変異をつくらないための貞節の誓い
呼吸者
肉も魚も食べない。 ベジタリアンかと思ったら 野菜も食べない
果物を少しと水
さらには 果物も食べなくなって
日光 空気 水 それだけで生きていくことをめざす。
食べ物がなくても生きていけると信じてる。
謎の登場人物ばかり
私も はじめは 軽くながして読みました。
深く読めば かなり奥深いものがあるようです。
ブレサリアンというんだ
不思議な話ですね
幻想のかたちを借りた 哲学かな
くでも、好きなように読めそうだと感じたのは 私だけでしょうか?
まずは 浅ーく読んでみようかしら。( っていつも 思うだけ (--;)
ベジタリアン→野菜だけ
リキッダリアン→liquidで水だけ
ブレサリアン→breathで呼吸だけ
普通は呼吸で水分を失うんだけど、呼吸だけの人は
空気中の湿気から逆に水を取り入れてるのだとか。
始めの方はクラフト・エヴイング商会の「じつは、わたくしこういうものです」みたいな作品かと思いきや
後半はニューエイジ風味が…ロシアやインドなどで「何も食べずに生きている人」ってたまにいますよね。
事実かどうかは不明ですが。
現代社会の抱える問題を究極化した形を描写して
読者に自分で考えさせるのですね。
つきつめていけば、そうなっちゃうよね、と
すこぅし わかる気がします。
(よく わかる、とは 断言できないです。
よく わかったつもりには なってるかもしれないけど
ちょっと待てよ、断言できない、ぞ、と)