放射線のモニタリングポストについて
- カテゴリ:ニュース
- 2011/06/17 00:31:57
放射線測定で、ここ数日、ニュースがあった。
「都内でも線量測定を開始」
「高さ1メートルに統一」
この二つのニュースがおもなところか。
それは良いのだが、ニュースでも、いまひとつ説明があいまいだった。
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今回の内容は、過去に知った事などの情報で、もともとの情報源などを忘れてしまったり、現在、自分で確認する事ができません。
本来、資料で確認できることを書くべきで、だから、いままで書かずにきたのですが、あまりにも報道が力不足なので、書く事にしました。
ですから、記憶違いがある可能性もあります。
その点に注意して読んでください。
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まず一つ、高さの問題。
以前から、モニタリングポストが高い場所にあることを問題視する人がいた。
これは、本当の問題は、過去の経緯が、現在に伝わっていない事にある。
モニタリングポストが高いところにある事自体は、問題ではない。
そもそも、1960年前後に、原子爆弾の開発実験が盛んに行われた。
この実験は、本当に爆弾を落とす事もあり、その実験の一つ、ビキニ環礁での水爆実験が、有名な「第五福竜丸被曝事件」を起している。
そうした実験を背景にして、
「放射性物質による大気汚染」
を観測する必要が産まれた。
世界中で原爆実験が行われて、それが空気を汚染して地球上を広まって行くので、「大気汚染の計測」になるのだ。
そこから始まったモニタリングポストなので、上空から降りてくる大気汚染を測る必要として、ビルの屋上などに測定器を設置する事に決めた。
モニタリングポストの測定器は、大気汚染を測るためのものなので、他の放射線に影響されてはならない。
偶然、何らかの放射線源が近くにあっても、それに影響されずに、大気の汚染だけを測定する必要がある。
だから、少し厚めの金属容器に入っていて、空気が入れ替わる穴が開いた構造になっている。
(簡単に似たようなものを例えれば、百葉箱だ)
こうした性格の測定器なので、地表に汚染物質が溜まっても、その放射線の影響は少なく、大気の放射線だけが測定される。
ここ重要。
モニタリングポストは、大気の放射線だけが測定される。
汚染された大気がやってきた後の対応は、別の問題として考えられた設備なのである。
そもそも、原爆実験で、万が一、大量の放射性物質が日本へ降ってきたら、それを発見するのが、モニタリングポストの仕事。
そして、汚染された後の対応は、その時に考える事で、モニタリングポストの仕事ではない。
現在の福島原発事故の場合、すでに放射性物質が地上に降下していて、土壌汚染が問題になっている。
モニタリングポストは、原発から放射性物質が漏れて風に乗っている事を測定する道具で、土壌汚染は、別に測るのが、もともと予定された行動なのだ。
何十年前かに決められた、放射能対策は、時間が経って、形骸無実になってしまっていた。
そういうことである。
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報道にでてくる放射線の値を見る時は、
モニタリングポストな大気汚染
職員が地上付近1メートルで測定したものは、
土壌汚染によるガンマ線
ちがう性質の数値として、分けて理解してください。
逆に、一定の値がつづいている場合は、福島原発は安定している可能性が強い。
この変化は、地上付近では、すでに土壌汚染が在るために、観測が難しい。
モニタリングポストは、そのために、わざわざ高い位置にあげている。
地上のほうは、土壌汚染が起きると、放射性物質の状態に合わせて放射線が出るので、放射線よりも、物質の種類と量が問題になる。
放射線量は結果の一つでしかなくて、調査としては、汚染状況を把握する事が重要。
小学校で見かけた、「百葉箱」は鳥の巣箱かなんかだと思ってました。
http://p.tl/9Llk
http://www.youtube.com/watch?v=0G_jgtkOfoQ
http://p.tl/7Vfe
http://www.youtube.com/watch?v=Xp1r4ZE-uy8