Nicotto Town



SFっぽい話【SETI】

最近、読んだ本ではないのですが、以前、別の所で書いた記事を。

「宇宙から来た72秒のシグナル」(鳴沢真也)を読んで、SFでファーストコンタクトを扱った本を紹介したものです。


『いつでも捜しているよ どこかに君の姿を』
-「One more time,One more chance」山崎まさよし(以降『』部分は同じ)

2009年11月11、12日、北海道から九州まで約30の観測施設が、一斉に星空の一点を見つめた。「全国同時SETI」(さざんか計画)である。

SETIとは地球外知的生命体(ET)が使っているであろう電波を観測すること。その性格上、誤解を受ける事も多い。
これについては、統括責任者の鳴沢真也氏による「宇宙から来た72秒のシグナル」に詳しい。

映画「コンタクト」は、ETからの電波を受信した、という話だが、原作者のカール・セーガンは、米のSETIの中心的な人物の一人。本職は天文学者だが「コスモス」「惑星へ」等の執筆を行い、一般人の科学啓蒙にも熱心だった。

映画と小説では、クライマックスの展開が多少異なるので、一方だけ知っている人は他方と比べるのも一興だろう。

『こんな所にいるはずもないのに』
変わった姿や場所にいたETを思いつくままに挙げてみると、「2001年 宇宙の旅」とそのシリーズ(アーサー・C・クラーク)には、意識だけの存在となったETが、「竜の卵」(ロバート・L・フォワード)では中性子星に人類の100万倍の早さで生きるETが、「神々自身」(アイザック・アシモフ)には、「宇宙のどこか」ではなく「平行世界」に生きるETが出てきた。

ここまでに挙げたETは、(一応)人類と意思の疎通ができたが、「ソラリスの陽のもとで」(スタニスワフ・レム)には、理解不能な相手が登場している。実際にはこんな可能性もあるのだろう。

挙げだしたらキリがないが、SF作家は如何にして、人間を投影しないETを考えるか、その苦心を思うと、涙ぐんでしまう。だが、きっと現実は、さらに狂っているのだろう。

『願いが もしも叶うなら』
SETIの歴史はアメリカの方が長い。それでも現在、成果なし。

1977年の通称「Wow信号」と1985~1995年の観測(スピルバーグが出資)で受信された5つの信号を除いて。

それらは、紛らわしい信号には慣れていた研究者を青ざめさせるほどの信号であった。が、同じ空域から2度と同様の信号は来なかったのである。

さざんか計画で対象としたエリアは、1989年に一度は、異常電波を受信した空域である。その結果は・・・「異常電波なし」であった。微かな期待はあったが、ほっとしたのも事実らしい。

SETIとは、鳴沢氏曰く”太平洋のどこかに落ちているコンタクトレンズを探すようなもの”だという。成果なし、も当然だ。

 『願いが もしも叶うなら』とSETIに関わる人々に聞けば、答えは1つだろう。

『今すぐ君のもとへ』と。

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追加情報
アメリカのSETI協会は資金不足のため、活動停止に追い込まれてしまいました。

鳴沢氏は、「さざんか計画」の後、世界各地の天文台と連携してSETIを行う「ドロシー計画」を2010年11月(2回)と2011年3月に実施しました。
当初、3回の観測を予定していましたが、今後も継続して観測しようという話になり、2011年5月にも観測は行われ、さらに2011年11月にも観測を検討しているそうです。

「ドロシー計画」の観測結果は、まだ解析中ですが、この時の事を書いた本を現在、まとめている最中らしいです。ちょっと楽しみ。


アバター
2011/06/22 23:51
冷静に考えると、ETが出している電波を受信する確率はとんでもなく低いものですよね。

相手も電波を使えるほど技術が発達してなければならないですし、人間が電波を使い
始めたのが人類の歴史の中のほんのわずかな時間でしかないのを考えると・・・。

それでも探さずにはいられないのは、「好奇心」だけではなく、おっしゃるように「孤独感」
から逃れたいのでしょう。
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2011/06/22 15:11
こんにちは。

地球外生命体を探し求める気持ちが山崎まさよしさんの詩と重なって切ないです。
この広い宇宙で生命が生まれた星は地球だけかもしれないという孤独感。
ETを探すことは、なんだか神様を探しているような感じもして、人類は自分たちの存在理由を探し求めているような気がします。
自分の気持ちをわかってくれる生命体や恋人が、この宇宙のどこかにいてほしい…。
人間って基本的に孤独な存在なのかもしれないと思ってしまいます。
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2011/06/21 00:17
>カトリーヌさん
スピルバーグは「SFに儲けさせてもらったから」という理由で、ぽーんと寄付したそうです。
その額、10万ドルだとか。また、やってほしいですね。
「ドロシー計画」の方は、まだ続けるようなので、こちらには頑張ってほしいです。

>よっちさん
天文学の一部分はSFそのものだったりしますね。天文学者であり、SF作家でもある、
という人がいるのもうなずけます。
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2011/06/20 08:49
SF好きですけど、実際に活動している機関があるんですねえ@@
地球。広い宇宙にポツンとある命。そう考えるとなんかちょっと心細い気がしますね。
仲間がほしいって地球も思っているかも。
むかし、不二子不二夫の21エモンってアニメ好きだったの。それを思い出しました。
無機物に生命があって岩なんかが動き回る星とか、医療が発達しすぎて200年生きると0次元行きになる星とか・・・
SFって想像力をかき立てられますね。
アバター
2011/06/20 00:21
SETIはたしか、資金を、
マイクロソフトのビル・ゲイツや、
全米第2位の富豪ウォーレン・バフェットに支援してもらおうと、
盛んに持ちかけていたようだけど、ダメだったのね・・残念。
基礎研究だって、お金がかかる・・・。



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