Nicotto Town


猫バカのぶろぐ。うん。   ・・・・・・読んで?


ともだち、トモダチ。[五話]


いつもは長く感じられる授業が、

今日はやけに短かった。



「きりーつ!これで五時間目の授業を終わります。礼。」

遠くで声が聞こえる。



私は無意識に立ち上がり、

特に好きでもない先生に、頭を下げた。





五分休憩。



ざわざわとした空気の中の、たわいもない雑談の中で、

ひとつだけ、耳に飛び込んできた。



「六時間目、班決めだね~!楽しみ~」




そうか。

班決めか。

忘れてた。

もう、どうでもよくなっちゃったな。






あっという間に、チャイムが鳴った。




ガヤガヤと話し合いが始まった。

楽しそうな声が飛び交う。




その中で、一人席に着いている私は、

まるで、存在をかき消されたようだった。




その時



「ねえ、沙羅!私たち、同じ班でいいよね!」





・・・・・この声は。


トイレで聞いた声。


沙羅じゃない、もう一人の声。





    
   近藤 紅葉。






 私と沙羅が仲がいい事に、納得してない人だ。



そういえば、

しょっちゅう話しているのを邪魔されたりした。










そして、



女子のリーダー格。










紅葉に逆らったり、





紅葉の気に触るような事をしたら、




    

 


                                       
                                 ・・・・・・・いじめられる。











沙羅は、





「・・・・・・・・うん、いいよ。」






と、了解していた。










ああ、やっぱり



約束、破るんだね。







なにげなく沙羅を目で追っていると、


何やら先生ともめていた。






少しすると、二人がこっちに歩いてきた。







何だろうと思って顔を上げると、



二人とも何か苦い顔をしていた。









すると、沙羅が口を開いた。







「あのね、花梨。

もう、女子は三人の班しか残ってないんだって。

だから・・・・・・・一緒の班にならない?

  





                           ・・・・・・・・・・・・・・・・三人で。」










「・・・・・・・・・・え?」







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