夢物語をいつまでも。
- カテゴリ:小説/詩
- 2011/06/26 16:53:07
帰れなくなったっていいから。
戻ってこられなくたっていいから。
きみと二人の世界へ行きたい。
きみと二人だけの世界で生きたい。
この世界は悲しみが溢れているから、
この世界では幸せにはなれない気がする。
この世界は幸福で満ちているけど、
この世界には欠けているものが多すぎる。
だから、完璧な世界で。
きみと一緒に、笑いたい。
昔々の子供の頃に、
語り合ったあの夢の中。
大人はみんな、馬鹿にしたけど。
隣のきみは笑って頷いた。
きみだけは、信じてくれたんだ。
一緒に探そうよ、って手を握ってくれたんだ。
幼いころの夢物語。
きみはそう言って、笑ってしまうかな?
あんなのは冗談だったと、ぼくに向かって言うのかな?
でも、それでも。
ぼくは行きたいと、探したいと思うんだ。
そのときは、やっぱり。
他の誰でもない、きみと一緒がいいな。