読書感想文【太陽系最後の日】
- カテゴリ:小説/詩
- 2011/06/28 00:09:31
ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク
「太陽系最後の日」
アーサー・C・クラーク ハヤカワ文庫
「2001年 宇宙の旅」で有名なアーサー・C・クラークの日本版オリジナルの短編集。
過去に出版された短編集に収録されているものもあるが、新訳となっているので、以前の訳と比べてみる楽しみもある。
中でも印象に残ったものは「守護天使」「コマーレのライオン」「破断の限界」の3作品。
「守護天使」は、後にほとんどそのまま「幼年期の終わり」の第1部になっている。
この作品では、「オーバーロード」と呼ばれる異星人が登場する。
その最高責任者の名前は「カレレン」
以前の訳や「幼年期の終わり」では「カレルレン」だったのだが・・・。
どちらが英語の発音に近いのか分からないが、「カレルレン」で刷り込まれている自分にとっては、「アレレ」という感じが終始、つきまとった。
ロバート・A・ハインラインの「夏への扉」に出てきた「文化女中器」(hired girl:ハイヤードガール。作中では、お掃除ロボット「ルンバ」の高級版のイメージ)という言葉を初めて見た時と逆の衝撃に近いものがあった。
「コマーレのライオン」は、はみ出し者の主人公の行動が停滞しているユートピアに大変化をもたらす、という話。
巻末の解説によると、こういう話はクラークお気に入りのネタらしい。
映画「マトリックス」によく似た部分があるが、発表されたのは1949年。パクッたとしたら「マトリックス」の方だ。
そういえば、映画「インディペンデンス・ディ」の冒頭は、「幼年期の終わり」の冒頭に非常によく似ている。
(ちなみに「幼年期の終わり」の方がはるかに先に発表されている)
予告編を見た時、「幼年期の終わり」が映画化されたのか、と思ったほどだ。当然、パクリ疑惑が囁かれた。
狙われているのか、偶然の一致なのか・・・。
「破断の限界」は極限状態に陥った人間の葛藤が描かれている。
事故で酸素の大半を失った宇宙貨物船。酸素の量は2人で20日間分、目的地へは30日かかる。救助の船はとても間に合わない状況。
「2人」で20日間、「1人」だったら?。
クラークの作品では、登場人物の心理描写は淡々としていることが多いのだが、珍しくドロドロ系だったのが印象に残った。
どちらをとってもイヤな選択肢しかない、という状況になったら、どちらかを選択できるだろうか。
クラークのSFは、随分、読んだが、それでも初めて読む短編が多かった。このシリーズは後2つある。
そちらも気になってしまった。
(↑1巻が出ているのを思い出して、買った)
これは、お手軽かもしれないです。
早速、メモらせて頂きます!
最近、なかなか、ゆっくり、本も読んでられなくて。
気持ちの余裕、欲しいな。
わざわざ、ありがとーー!
「夏への扉」(ロバート・A・ハインライン)
「楽園の泉」(アーサー・C・クラーク)
「宇宙のランデヴー」(アーサー・C・クラーク)
「星を継ぐもの」(J・P・ホーガン)
「たったひとつの冴えたやり方」(ジェイムズ・ティプトリー・Jr)
ビギナークラスかどうかは、分かりませんが、(少々、古い)鉄板モノではあります。
SF方面は、あまり知りませんでした。
なんか、興味が出てきちゃって。
素人でも、簡単に入れる、
ビギナークラスのお勧めは、ありませんか?
感想文ブログ、少しづつ、さかのぼって、
覗かせてもらいますね。(^-^)/
自分の好みに合う場合は、物足りなくなるかもしれませんが、合わなかった時のダメージは少なくてすみますから。
ちなみに本を読むペースは2週間に1冊くらいでしょうか。
新書だったりすると2,3日で読めてしまうので、「感想書き待ち」ができたりします。
(たいてい週末に感想を書くので)
Tuckerさんってどのくらいのペースで本よんでるんですか!?
すごいスピードですよね!