本棚。28
- カテゴリ:小説/詩
- 2011/07/02 11:30:13
「断章のグリム」 現在14巻まで
著者・甲田学人 挿絵・三日月かける 出版・アスキーメディアワークス(電撃文庫)
僕たち人間とこの世界は<神の悪夢>によって常に脅かされている。
ある時、神は悪夢を見た。
神は全知なので、ありとあらゆる恐怖を一度に夢に見てしまった。
そして神は全能なので、巨大な悪夢を切り離して捨ててしまった。
切り離された悪夢は、いくつもの小さな泡となり、集合無意識の海の底から、僕たちの意識へと浮かび上がる。
<悪夢の泡>は全知の普遍性により、僕ら個人が抱える固有の恐怖と、混じり合う。
そしてその<悪夢の泡>が僕らの意識より大きかった時、悪夢は溢れ出し、現実のモノとなる。
・・・という訳で、大人を含め少年少女達が怪奇現象と戦うお話です。
描写が上手くて、すごく上手くて、痛覚を刺激されます。。。本を持つだけで、手に無数の針を刺した錯覚を覚えました。
ま、この作者の本は読んでる内に適度に読み飛ばすテクニックが身に付きますが(笑)
悪夢の型となる、童話の象徴学の話が好きです。童話モチーフが好きなのw
あくまでもそういった側面もある、というか、数ある解釈の一例に過ぎません。
ネズミは疫病を媒介する死の象徴、かぼちゃは愚鈍の象徴。よりネズミの御者とかぼちゃの馬車に乗るシンデレラは、死に引き回される愚か者だとか。
ヘンゼルが道しるべに落としていく、パンはキリストの肉体、石は人間(人間は石から作られた伝説から)より、人食いの象徴だらけだとか。
そういった話です。
甲田学人さんの作品は「Missing」と「夜魔」「断章のグリム」で全てです。
作者の名前と作品、両方覚える事って多くないですよねw 「重めのイメージ」で充分だと思います^^*
何だったでしょう・・・
すっかり忘れてるのが悲しいです。
重めなイメージがあるので、私も読み飛ばしていたのかも・・・
おそらく、断章のグリムの前の作品だとは思うのですが(笑)