Nicotto Town


つぶやきrnao


【2】現場のラッキーさんのつぶやき

ラッキー氏の呟きは、いわば「国民の知らない地獄」を伝える重要証言なのだ。


6月22日、ラッキー氏は汚染水処理の問題について、

こう呟いている。

<汚染水処理能力が100分の1だって、あり得ない!……

こりゃみんな被曝してホントに作業員いなくなっちゃうぞ!>

この日、福島第一原発の汚染水処理にトラブルが発生した。

米国キュリオン社のセシウム吸着装置が想定通りの性能を発揮できず、システムの本格的稼働が遅れるというのだ。
汚染水の処理は、次のような手順で行われる。

①東芝の装置で油分を分離

②米国キュリオン社の装置でセシウムを吸着

③フランス・アレバ社の装置でさらに放射性物質を除染

④日立などの装置で淡水化。

ところが6月17日に本格運転を始めたところ、5時間ほどでキュリオン社の装置が停止。

また、21日にはアレバ社の装置でポンプに不具合が発生。

再度、試運転を始めた矢先の22日に、またもキュリオンの装置で「想定の100分の1程度しか放射性物質を除去できない」というトラブルが発生した(翌23日になり、東電は「パイプを開閉する弁が開いていたため、汚染水の流れが偏っていた」などと発表。

再び試運転を開始)

もともと、ラッキー氏は汚染水処理について、こう危惧を表明していた。

<汚染水を溜めているプロセス建屋(集中廃棄物処理施設のひとつ)の地下は津波で地下1階の上部まで海水が溜まってた所で、オイラ達が止水工事した時も床は海砂と流れて来た機材、ケーブル、照明、靴等々、あと魚のボラが数え切れないくらいあった>

<それを片付ける時間も与えられず突貫工事で(浄化システムの設置を)終わらせた。

そんな場所から汲み上げ移送するのだからゴミはポンプに詰まるしフィルターはすぐ詰まっておかしくない>(6月18日)

 

東電は当日、「システムの本格的稼働が遅れる」との発表を会見で行ったが、ラッキー氏はこう語る。

<サイトバンカー(線量の高い放射性固体廃棄物を保管する施設)地下に移送しても(汚染水が溢れるまでの)リミットはたぶん7月4日くらいで、雨が降るともっと早くなるはず>(6月22日)

本誌が、米国カリフォルニア州に本社を置くキュリオン社のCEO、

ジョン・レイモント氏を直撃すると、同氏は「システムに問題はない」としてこう話した。


「汚染水にはヨウ素とセシウムの他、ストロンチウムも含まれています。東電からはセシウムの濃度を1000分の1以下に低減するよう要請されていますが、我々のシステムは、その要請以上に減らすことができている。今起きているのは、システムへの習熟不足による単純なヒューマン・エラーで、トラブルが起きるのは自然なことです」


ただ、6月22日午前7時の時点で、2号機のトレンチの水位は、地表まで243ミリ、3号機は122ミリ。

雨が降ると、この水位は一日で20ミリ以上、上昇する。果たして〝習熟〟を待つ余裕があるのかどうか。

手がつけられなくなる

しかもラッキー氏によれば、システムは一旦トラブルを起こして停止すると、復旧作業も容易ではない。

<アレバ、キュリオン、東芝のシステムは一度水が入ると人が近づけないためフィルター交換も遠隔(操作)で行います。

それもスムースにいくのか?また日立の淡水化システムのフィルター(交換)は人力で行います。

計画だとフィルターが1mSv/h程度だといいますが本当にそうなのか?ポンプが故障したら?>

<心配な事ばかりです。こんな短時間の計画で全てのリスクを考えているとは思えません。

そうなった時はまた作業員の被曝が増えるのです>(6月6日)

作業の進捗、作業員の安全と保護が綱渡り状態になっているのは、メンツにこだわり、

「工程表達成」に固執する、政府や東電本体に問題があるという。

<今日だって汚染水処理システムの試験の発表があったが、まだその段階ではないのに発表してるし

その理由は明日から細野(豪志・首相補佐官)が海外に行くため行く前に(発表)しないと駄目だからなんて言ってる>(6月9日)

現場と東電本店サイドの溝も深いようだ。同時に、東電本店の裏にいる原子力安全・保安院及び政府への不信感が、現場に広がっていることも窺わせる。


<保安院が線量超過について東電に対し『遺憾であり原因究明と再発防止……』って何言ってんだ。(作業員が大量被曝した事故初期に、現場の)東電社員や企業の作業員は命懸けで何とかしなきゃってやったのに!>


<被曝とか内部取り込みとか管理できるはずないだろっ!管理して、次の人いませんって爆発して手に負えませんからですむのか?>(6月13日)


<厚労省がまたバカな指導をしてきた。7、8月の午後2時から5時は原則として作業しないようにだって。現場にいて一番暑い時間帯は午前11時から3時前で3時過ぎから7時くらいが午後グループの仕事の時間なのに!>

<誰が決めたのかわかんないけどマスクして現場に来て暑い時間帯のデータとるか作業員のリサーチくらいしろって思う。

東電もそう思ってるはず、政府のイエスマンじゃなくしっかり現場の立場を主張して欲しい>(6月10日)

 

まだ、つづく。。。




カテゴリ

>>カテゴリ一覧を開く

月別アーカイブ

2024

2023

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010

2009

2008


Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.