ボレロ ~祈り~
- カテゴリ:日記
- 2011/07/11 11:55:25
暗闇にドラムが単調なリズムを刻んでいく。
暗闇から浮かび上がる手。
真っ直ぐにそらされた指が頬をなで、顔から胸、腰へと優雅に下ろされてゆく。
上半身が暗闇に浮かび、ゆっくりとリズムに合わせて胎動する。
管楽器の異なる旋律が交互に繰り返す。
全身が浮かび上がった舞い手は、その旋律にあわせゆっくりと舞っていく。
跳躍、回転のような派手な動きは一切ない。
そらされた手が、あるときは真っ直ぐに、あるときは弧を描く。
腰と足はリズムに合わせ、常に胎動している。
舞い手は、まるで祈りを捧げ、大地の奥から力を呼びさましているかのようだ。
単調な調べにバリエーションが増えていく。
それにあわせ、舞い手の舞いも変化していく。
中心で踊る舞い手の周囲に、呼応するように幾人もの踊り手が湧き上がってくる。
大地から湧き出したかのような彼らから、力を受け取りそれを束ね、中央の舞い手はその力を蓄えていく。
まだ足りない、もっと力を、もっと祈りを。
溜まっていくエナジーに反応し、舞いは激しさをましていく。
力強く回転し、足を蹴り上げ、背を反らす。
無限に地湧するかのような踊り手の放つエナジー。
それを全て受け止め集約し、昇華させる舞い手。
圧倒的なエナジーと、底知れぬ祈りがこめられた舞は終焉する。
ラヴェル作曲のボレロは、祈りなのだろうか。
最初はただのバレエ音楽だった。
数知れない踊り手や演技者の心に触れて、受け手に伝わるころには大きく変容したのかもしれない。
この祈りは、3.11の犠牲者にも届くだろうか。
どうか届いてほしい。
あれから4ヶ月、少しも前進しない今の状況に、歯痒さを感じつつ。
そう祈る。
http://d.hatena.ne.jp/video/niconico/sm1767292
リレハンメル五輪 アイスダンスペア:トービル・ディーン組の伝説のボレロ↑
サラエボの悲劇と反戦の祈りをこめて
http://www.youtube.com/watch?v=Ye47Silrcgw&feature=fvwrel
今は亡き天才ソリストダンサー:ジョルジュ・ドンのボレロ↑
もはやなにも語ることなし…。
http://www.youtube.com/watch?v=WAO9Ugk52O4
100年に1人と言われる女性ソリストダンサー;シルヴィ・ギエムのボレロ↑
モーリス・ベジャールの死に祈りをこめて。
迫力があるでしょう?
男女それぞれ最高級のダンス、あればこその迫力です。
人はどこまでいけるのかの、一つの答えだと思います。
コメントありがとうございます。
忙しいのはお互い様です。
こちらこそ、足跡すら残さない日がありますから^^;
美櫻さんもボレロがお好きなんですね。
私のブログで、亡きジョルジュ・ドンの舞の断片でも浮かべていただけたら幸いです^^
いつも素敵なブログありがとうございます
忙しさにかまけてコメント入れないで
足跡だけ残してしまうこと多々ありますこと
申し訳ありません
ボレロは私の最も好きな音楽の中の一つです
繰り返しの旋律の中に心に響く物が湧き出てくるのを感じます
ラトさんの文章で
ジョルジュ・ドンの映画の中の踊りがメロディーとともに
目の前に蘇ってきました
近いうちに 再度映画を見たくなりました
ありがとうございました
バレエによってより吸い込まれていくようでした。
すごいですね!!
やっぱり、見てはったか、あの映画。
私も見た。
ジョルジュ・ドンの際立つ個性とカリスマ。
あれがあってこその、あの映画やと思う。
思うんやけど、あのダンスシーンが強烈すぎて、感動のストーリーが^^;
感動して泣いたはずやのに、残ってない。
シンさんにとって、ボレロの曲は、人生なんやなあ。
私はバレエとセットで「祈り」のように思います。
曲としてはは、中学生のころから知ってた。
「愛と哀しみのボレロ」
映画で若きジョルジュ・ドンが踊るシーン、強烈に焼きつきました。
強烈過ぎて、それしか残ってない^^;
彼は若くして病に倒れました。
が、このボレロとともに、歴史に名をとどめると思う。
平凡やけど、少しずつ違う小さなドラマが在る日常。
その積み重ねが、人生なんやと私も思います。
どんな曲、どんな祈りを残せるかな。
自分の魂に恥じない生き方、そんなフィナーレだとええけど…。
そうでしたね^^。
最近ならフィギュアグランプリとかのオープニングテーマとか。
しかし、江頭ってw わからんでもないけど、ファンが見たら泣くでw
静かに始まって、繰り返し繰り返し、あのフィナーレにもって行く。
バレエと同時に見ると、相乗効果で鳥肌がたちました。
私が見たのは、名前もしらないダンサーの舞台だったけど。
いろんな分野でボレロは知られてますからね。
バレエにフィギュアスケートに、映画に、CMに。
人の好みは、その人の自由です。
悩ましてごめんね~^^;。
私もボレロ、好きです。
頭の中では、もうベジャールのバレエとセットになってますが。
で、このブログとなりました^^
大画面で「愛と哀しみのボレロ」を見たときは、衝撃でした。
同じメロディとリズムの繰り返しなのに、音色が次々と追加され
踊り手もメロディ(ソリスト)だけだったのが、リズム(群舞)が増えていく……
一度は生で見てみたかったな~~
昔から、この曲を聴くと力づけられます。
その理由はずっと分かりませんでした。
ですが、今はこう思ってます。
人生はドラマのように波瀾万丈ではなく、
ほとんどの毎日は、平凡で単調な日々。
朝起きてから眠るまでのリズムは、ほとんど変わらない。
それでも、一日一日はちょっとずつ違う毎日。
奏でる楽器が異なるように、
優しかったり、厳しかったり、悲しかったり。
それでも、人生はこうありたいと願う。
だんだんと
少しずつ確実に
自分に言い聞かせるように力強く。
この世の別れの瞬間に、アンコールの拍手が鳴り止まぬように。
そう生きたいと願っています。
例え観客が一人であっても精一杯の演奏をしたいなと、
そう思うばかりです。
せやけど、添付2番目の HP 見て、江頭 思い出したのは
オイラだけ?
小さな目覚めから始まって、聴衆を世界の鼓動に巻き込んでいくような。そして放りだす。
ラヴェルは天才です。
・・・う~ん・・・ (-_-;)ゞ
祈りに通じるものがありますよね。
力強さが、どんな人にも平等に分け与えられる感じがします。
衝撃走ったよw