海に行ってきました。その2
- カテゴリ:日記
- 2011/07/11 12:29:30
今までは被災地を見に行くことは、被災された方々に申し訳ないような
気がして、被災者の方とすれ違ったら目を合わせる勇気がなくて
一人ではどうしても行けなかったのです。
でも、一度見ておくべきだろうな、とは考えていました。
あちこち水没しているところは動画やグーグルアースで確認済みなので
極力道の大丈夫そうなところを選んでぐるっと回っていきました。
海に通じる川には大きな家が家半分出て没し、電柱やガードレールは
そこに強烈な波が当たった痕跡を残していました。
彼女の借りている車は県外ナンバーだったせいか、
やはり「何しにきた!?」的な鋭いまなざしでこちらを見ている
片付け最中の店の人たちも幾人かいらっしゃいました。
そう、冷やかしのように県外からきてあちこち
観光気分でにこやかに写真を撮っている人達も多くて、
時折トラブルになっているのも聞いていましたから・・
きっとそう思われたのでしょうね(;ω;)
ざっとみたあと、被災した車や瓦礫をそれぞれ集めて集積している
場所を通りました。
瓦礫が信じられないほど広大なものすごい山になっていました。
そして、どこをどうしたらこんなにめちゃめちゃになるのか?と
思うような車の山、山・・・
きっとこの車の中には乗ったまま亡くなられた方もいらっしゃるのでしょう。
もう4ヶ月経っているのでかなりあちこちきれいになっていましたが、
それでもこの凄まじい光景。
さっと港周辺を回った後に、彼女とよく行っていた
私の家から一番近い海に行きました。
ここへは自転車で何度も海岸線に沿って気持ちのいい道路を
飛ばした経験があります。
ちょっと前までは規制線が貼られていたのですが、
自衛隊や多くのボランティアたちも去り、ひととおり
片付けは済んだようでしたが、行ってみてあまりの変わりように
涙がだーっと出てきました。
この辺りにはけっこうりっぱなお宅がたくさんあったし、
コンビニも旅館もあったし、海水浴場もありました。
でも、見渡す限りコンクリートの残骸しかない・・
家の残骸的なものもなく、家状のものはもっと内陸へ流されたか
引き波で海にもっていかれたのでしょう。
道を挟んで並びにはずっと家々の立派な塀が延々並んでいたのに、
目線の位置より高い構築物はほとんど何ものこっていませんでした。
近くに金魚が趣味でたくさんの池を作ってたくさんの金魚を飼っていた
知人の家があって、そのすぐそばが小高い山になっていて
そこに行ったことのない小さな神社があるのですが、
金魚を飼っていた家の奥さんはその山に避難した後、
いったん波がひいたのをみて
1,2分の距離だったこともあって自宅へ様子を見に降りたそうです。
でも、そこへ第2波がきて亡くなりました。
第2波のスピードはすごく速かったようです。
第1波はひたひた、という感じだったのですが・・
その神社のある山がすぐそこあったので、地理関係から彼女の家はそのあたりに
あったはずなのですが、な〜んにも痕跡が残ってはいませんでした。
これほどコンクリート瓦礫ばかりで家の残骸すらないと
思い出の品を探し出すのもものすごく困難に違いありません。
一人の若い男性が、その近くで手を合わせていたので
よくみたら、そこに小さな供養塔が建てられていました。
ちょうど夕方にさしかかって、遠くの山々や雲が夕日でとてもきれいに見えました。
たぶん、こんなに美しい夕日と風景を見たのは、震災後初めてです。
そして、その壊滅した町が瓦礫と化して障害物が一切なくなってしまったので
360度のパノラマで周りの自然が見えて、今までこんな景色が見えた
ことはなかったし、家々があった以前はそんな眺めが不可能だったので
その景色の美しさにみとれながら、なんとも不思議な感じがしました。
遠くでみるのと近くでみるのも違いますが、
実際みると現実感はないのですが、それでも現実にそこにその情景があるので
ことばがでなくなります・・
トラブル・・・
けっこう問題になっていて、ケンカや殴り合いになることもあるようですよ。
冷やかしでマナーの相当悪い人もいるようなので。
肝試しのノリで被災地にくる人って信じられません・・
以前居住禁止地域になった友人の家を訪ねた時、道が寸断されていて
その先がないはずなのに、やたら車がくるので
友人に「この辺の人?けっこう戻ってきてるんだね?」と話したら
その当たりの人はみんな遠くに避難したので、このあたりの人ではない、とのこと。
その先の寸断されて崖のようになった眺めを見に
口コミであちこちから見に来ている人の車らしい、とききました。
瓦礫ばかりで何もない所にひっきりなしに車がきていたのでびっくりしました・・
>>いわ さん
4ヶ月も経ってやっと自分の家の近くの海を見にいけたのですが、
あまりの変わりようがショックでした。
途中踏切があったはずなのですが、ぐにゃぐにゃになった線路はすで撤去されていました。
>>cat さん
ぜひ一度行って直に見ておかれるとよいかもです。
いろんなことを感じると思います。
人工物はもろく、醜くて
自然は調和していて美しい、と昨日の風景を見ていて感じました。
実際に見てみないと感じるものも違うでしょうからね。
トラブルになることもあるんですね。
4か月経ってもひどい光景だったんですか・・・
夏の作業も大変ですしね。
まだまだ、復興には遠い感じですね。
未だに、現実とは思えないときがあります。
市から、ボランティアバスが出ているので、
仕事の都合がついたら、行きたいと思っています。
何もかも片付けられる前に一度見ておくことができてよかったです。
>>ゆっちー さん
残骸ときれいな風景が対照的でした。
ご冥福をお祈りします。